授業が終わって昼休みになった。

さっきの事を思い出して途端に心臓がバクバクし始めた。

冷静に考えたらありえないよね、実は夢だったりしないかな…



「響子ーーーー!!!!」



教室の扉から響子ちゃんの名前を呼ぶ声が聞こえる。

響子ちゃんは鬱陶しそうにギロりと睨むも、声の主は全く気にしてないようにヘラヘラと笑いながら近づいてきた。



「古典の教科書貸してくんない?忘れたわ」


「望月《もちづき》……アンタが教科書をまともに持ってきた日が一日でもあった…?」


「昨日は借りに来てねえだろ?」


「昨日だけじゃん、死ねば?」


「あらやだ!死ねですって!響子ちゃんってば反抗期かしら?夏秋さんも大変ねえ」


「響子ちゃん普段は良い子なんですけど、どうしちゃったんでしょう……」


「柚もくだらない茶番に乗らなくていいわよ…」



あ、つい乗っかっちゃった。