柚月は今どんな状況なんだろう。
昼休みが終わる直前に戻ってきた草野は珍しくしおらしくしてたから草野が嫌がらせをしたのかと思えば、今度は柚月一人で藍沢を呼び出している。
結局草野じゃなかったのか?それとも別件?
心の内が全く穏やかにならない。
しかも、なんで今回は多々良が居ないんだ?
柚月一人で大丈夫なのか?柚月が悲しい思いをする可能性があるんじゃないのか?
気になって柚月と藍沢の後をこっそりと着けていると、見知った後ろ姿の忌々しい人間を見つけた。
「おい」
「うわっ!」
そいつの首根っこを掴んで呼び止めると、望月はよろけながら俺を非難の視線で見つめ返した。
「てめっ……おい、元宮!お前いい加減まともな呼び止め方を覚えろ!」
「なんで嫌いな奴相手にそこまで配慮しなきゃいけねぇんだよ」
「いきなり首根っこ掴まれる身にもなれっつーの、全く……で、なに?」
望月は何故か気まずそうに視線を下に逸らしている。


