「……そうよ。あいつ、元宮の事諦めきれないって、夏祭りの後からずっとアンタのこと恨んでたから……」


「いや、それ逆恨みじゃ……」


「私だってそう言ったけど!でも、衝動が抑えられないって言うんだからしょうがないでしょ?」



しょうがないのか……?

納得いかないが、彼女の話が本当だとすると、藍沢さんの愚行を一応止めようとしてたし、わざわざ私の下駄箱まで掃除までしてくれてたんだ。


なんだか草野さんに悪いことしちゃったな、と罪悪感がどんどん膨らんでくる。



「最近下駄箱が綺麗だったのって、草野さんが朝掃除してくれてたから……?」


「そうよ、私が居なかったらアンタの靴は今頃ゴミだらけなんだから!!感謝して欲しいもんだけどね?」


「ちなみになんで掃除なんかしてくれてたの?」


「あんまりやり過ぎると、こうやってアンタらが犯人探ししようとし始めるでしょ?だから、華がやったってバレないように掃除してたの。決してアンタの為じゃないから」




あくまで藍沢さんの為というスタンスみたいだ。

実際そうなんだろうけど、草野さんってちょっと気が強いだけで基本的には面倒見良い性格してるのかなぁ…


少しの沈黙が流れた後、私は勢いよく頭を下げた。



「す、すいませんでした!!てっきり草野さんがやったかと……!」