「早く要件を言いなよ?私だって暇じゃないんだから」



苛立たしげに地面を踏み鳴らす草野さんにちょっとムッとする。

元はと言えばそっちが嫌がらせをしなかったら良かった話なのに、なんでそんな態度取られなきゃいけないんだ。



「私の下駄箱に嫌がらせをしてるのって草野さん?」


「……知らないけどー?人違いだから他を当たってくんない?」


「じゃあ、用もないのに私の下駄箱で何をしてるの?」


「なにさっきから。知らないっつってんじゃん。アンタの下駄箱になんか行かないっての」


「私の下駄箱の前にいる草野さんを見たって人が居るんだよ。本当に何もしてないならあそこで何をしてたの?」


「はー、うざ……だからなにもしてないって言ってんでしょ!」



あくまでもやってないと言い張る気だ。

シラを切り続ける彼女と話してると段々とイライラしてくる。



「夏祭りの時にも会ったけど、草野さん、元宮君のこと気にかけてたよね?元宮君の事が好きだからやったんじゃないの?」


「はぁ!?!?なに馬鹿なこと言ってんの!?あんな奴好きな訳無いでしょ!!」



まるで心外とでも言わんばかりのリアクションに、はて?と首を傾げる。