俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい

「ま、まぁ、迷走ぐらい誰にでもあるよ……と、とりあえず、昼休みに草野さんと話す事になってるんだよね、一応……」


「へー…でも、あんな大喧嘩してたのにちゃんと来んのかよ?」


「来なかったらまた三組に行けば良い話でしょ」


「響子が出張りすぎると夏秋が動きづらくなると思うんだけどなぁ」



なあ?と私に視線を寄越す望月君に曖昧に笑う。


響子ちゃんが私のためにしてくれてるって言うのは痛い程伝わるんだけど、望月君の言う通り和解という道が遠くなってしまうような気がしてならない。



「私は謝って貰うのと、二度とこういう事はしないって約束して貰えたらそれで良いかなぁ」


「……柚は甘すぎる。どんだけ酷い事されたかまだ分かってないの?」


「響子ちゃん…確かに嫌がらせされて私も精神的に病んでた時期はあるけどさ、だからと言ってその人をどうこうしたい訳じゃないんだよ。綺麗事とかじゃなくて、そういうのにリソース割きたくないって言うか……」



伝わらないかなぁ、響子ちゃん…

別に私が善人とかじゃなくて、本当にどうでも良い人に対して時間を取りたくないだけなんだよね。


響子ちゃんと本当の意味で仲直りして、もっちーと普通に喋れて、元宮君とも久しぶりに会話が出来た。

今が幸せだからこそ、そんな嫌なこと考えていたくないんだ。