俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい

「響子〜、お前、朝相当暴れてたらしいな」


「うるさい。早く教科書持って消えてよ」


「照れなくても良いだろ〜!ホント、お前は友達想いだよなぁ」




ニヤニヤしながら響子ちゃんを見てる望月君。

今日も教科書を忘れたらしく、いつものように響子ちゃんに借りに来たみたいだけど、本題は朝の件をからかいに来たに違いない。



「響子ちゃんが友達想いなのは否定しないけどさぁ、めちゃくちゃ大変だったんだよ?」


「お前もそう言ってやんなよ、響子だって夏秋の事を想って熱くなっちゃっただけなんだからさ」


「そりゃそうだけど……って言うか、もっちー。なんで元宮君に、私が"元宮君が原因で嫌がらせを受けてる"こと話したの?駄目だよ、そんな話本人にしたら」


「え?俺が元宮に?」



望月君は目をぱちぱちとさせたと思うと、急に頭を抱え、あ〜〜〜!と悶え始めた。



「あーーー、そう言えば言ったわ……」


「心配かけるような事言っちゃ駄目だよ、別に元宮君自身は悪くないんだから…」


「あん時の俺はちょっとおかしかったって言うか、なんて言うか……」


「アンタがおかしいのはいつもの事でしょ」


「響子だって最近まで迷走してたじゃねーか!俺だってたまには迷走ぐらいするさ」



望月君の迷走は凄く心当たりがあるから反応に困るんだよなぁ。

耳元で囁かれた言葉を思い出しそうになって頭をブンブンと振った。


あの時の事は忘れよう……もっちーの為にも……