───── 色々ありましたがわたくし七瀬舞は、なんとか無事に卒業を迎えることができました。


「舞ちゃん、クラスの皆で卒業のお祝い会やるって~。行こうよ~」

「あーー、ごめん!!あたしこれからバイト先に挨拶行かなきゃいけなくて」

「あ~、舞はもうバ先決まってるって言ってたもんね」

「原則、4月以降からじゃなきゃバイトしちゃダメなんだけど、家庭の事情が事情だしって、特別に明日から働かせてもらえることになってさ!」

「嬉しそうだね、舞ちゃん」


そりゃそうよ、美玖。

ようやく自分でお金を稼げるんだから、嬉しいに決まってるじゃん!!


「あ、これ……私と美玖の連絡先。スマホ買ったら連絡して~」

「ありがと~う」


連絡先が書いてある付箋を受け取って、メモ帳に貼り付けた。


「んじゃ、またね!!」

「「ばいば~い」」


拓人にも声かけようかなって思って、チラッと拓人の方を見ると、友達やら後輩やらに揉みくちゃにされていて、あたしが話しかける隙もなそう。

ま、拓人はいっか。

さて、バイト先まで急ごう。


桜が咲き始め、満開までは後もう少しって感じかな?いい匂いがする。