冷酷王子は、異世界から来た少女を溺愛する

 次の日。
 アイルとアイカが起こしに来た。
 「アイカ、昨日みたいに、炎舞様達裸だったらどうしよう…。」
「大丈夫。
昨日みたいに私達でなんとかすれば良いのよ。」
「そうよね。
じゃあ、行くわよ。」
「うん。」
「おはようございます。」
 アイルが、そーっと扉を開いた。
 「おはよう。
アイル。
なんで、そーっと開けてるのよ?」
「マリア様!
もう、起きられていたんですか?」
「ええ。
それより、なんでコソコソ入って来たの?」
「それは…昨日の事が…ありましたので…。」
「あっ…。」
 あたしの顔は真っ赤になった。
 「ごめっ…ん…。」
「いえっ!
お気になさらずっ!
ご夫婦ですから、当たり前のことです。
動揺した、わたし達が悪いんです。
んんっっ!
本日は、どのお召し物にいたしますか?」
「そうね…。
中央の国に行くから…。
苺コーデにするわ。」
「かしこまりました。」
 アイルは、クローゼットから、苺柄のワンピースを出してくれた。
 「アイル、これに合うカーディガンを出して。」
「マリア様、どれになさいますか?」
「そうね…。
苺だから赤にするわ。」
「かしこまりました。」
「王女様、アクセサリーはどうされますか?」
「そうね…。」
「一応、赤色のものを、ご用意いたしましたが…。」
「ありがとう。
じゃあ、これにするわ。」
 あたしは苺っぽいアクセサリーを選んだ。
 「アイル、靴下と靴を出して。」
「かしこまりました。
こちらでいかがでしょう?」
「うん。
これにするわ。」
「王女様、髪型はどうされますか?」
「ゆるふわに出来る?」
「はい。」
「じゃあ、それにして。」
「でしたら、ゆるふわお団子なんて、どうでしょうか?」
「それいい!
それにして。」
「かしこまりました。」
「それにしても、こんなにうるさいのに、炎舞様起きないわね。」
「ホントですね…。
きっと、お疲れなんだと思いますよ。
王女様、こんな感じでいかがでしょう?」
「素敵!
アイカは、ヘアセット得意なのね。」
「はい。
アイルのも私がしてます。」
「そうなの?」
「はい。」
 ここで、やっと、炎舞様が起きた。
 「あれ?
もう準備できたの?」
「はい。
おはようございます。」
「おはよう。
その髪型、可愛いね。
似合ってるよ。」
「アイカがしてくれたんです。」
「へぇ…。
いいじゃん。
じゃあ、ぼくも着替えてくるよ。
食堂で会おう。」
「はい。」
 炎舞様は、ショウタを呼んで、ご自分の部屋に帰られた。
 あたしは、アイルとアイカと一緒に食堂に向かった。
 「今日の朝食はなんだろ…。」
「なんでしょうね。」
「ここのご飯って美味しいのよね。」
「そうなんですか?
マリア様の世界の食事って、どんな感じなんですか?」
「基本、ここと変わらないわよ。」
「そうなんですね。」
「うん。」
「マリア様、フィランストーストご存知ですか?」
「フィランストースト?
フィランスって確かあたしの世界でフランスって聞いたけど…。
フランスのトースト…?
フレンチトーストかな…?
フィランストーストってどんなの?」
「フィランスのパンを牛乳と卵と砂糖に付けて焼くんですけど、ふわふわで美味しいんです。」
「あー、やっぱり、フレンチトーストだった。
こっちの世界では、それをフレンチトーストって言うの。」
「そうなんですか?」
「うん。
あれ、クリームとかアイス乗せたら、もっと美味しいよね。」
「そうなんですか?!
今度やってみます。
良いこと聞いたね、アイカ。」
「うん。
王女様、炎舞様が来られるまで、ここでお待ちになりますか?」
「そうね。
そうするわ。」
「かしこまりました。」
 少しすると、炎舞様が来た。
 「お待たせ。
中で待ってても良かったのに…。
待っててくれて、ありがとう。」
「いえ。
待ちたかっただけですから。」
「ふふふ…。
じゃあ、中に入ろう?」
「はい。」
「ショウタ、下がれ!」
「はっ!」
 ショウタ達は下がった。
 「炎舞様がお笑いになった…。」
「そうよ。
マリア様に対しては、全然違うのよ。」
「初めて見た…。」
「でしょ?」
「アイカ、ショウタ行くわよ。」
 その頃、食堂では、炎舞様と楽しく食事する、あたしがいた。
 食事の後、中央の国に向かって、馬車を走らせた。
 中央の国の途中にある、迷いの森…。
 迷いの森に入る前に、炎舞様が、迷っている人がいないか見るように。と言った。
 あたしは、迷ってる人がいないか見ていた。
 「マリア、もうすぐ、中央の国だよ。」
「はい。
迷ってる人居なかったですね。」
「うん。」
 あたしと炎舞様は、中央の国に入った。
 「炎舞様、マリア様、ようこそ。」
「モカ!
元気だった?」
「はい。
マリア様、昨日は、どうでしたか?」
「凄く楽しかったよ。」
「それは、良かったです。
炎舞様、いつものお部屋にどうぞ。
マリア様は、ボクに着いて来てください。」
「分かったわ。」
「マリア。
また、後で。」
「はい。」
 あたしは、モカに着いて行った。
 「この部屋でお待ちください。」
「分かったわ。」
「退屈凌ぎに、城内を周るのも良いかと思います。
城内を歩きたい時には、ボクを呼んでください。
ボクは、隣の部屋にいますので、声をかけて頂ければご案内します。」
「分かったわ。」
 あたしは、部屋の中に入った。
 部屋では、もう、みんなが集まっていた。
 「マリアちゃん。」
「マリア様。」
「マリアさん。」
「マリア。」
「みんな。」
「あら、今日は、苺コーデ?
それも買ってもらったの?」
「そうなの。」
「マリアちゃん。
洋服いっぱいあるの?」
「うん。
お店にあるもの全部買ってもらったから。」
 全員が、え?!となった。
 「マリアさん、全部買ってもらったんですの?!」
「そうよ。」
「炎舞様、太っ腹…。
マリアいいなぁ。
ワタシなんて、コートと昨日買ってもらったドレスしかないわ。」
 ヒロが呟く。
 「わたしもです…。」
 ユカが悲しそうに呟く。
 「わたくしは、買ってもらえそうで、買ってもらってませんの…。
部屋にあった、お洋服は、国民にあげましたわ。
だって、マリアさんが、着るようなお洋服でしたので…。」
 ヤエが嘆く。
 「そうなんだ…。」
「あ、マリアちゃんの国は、物価が安い。って李衣様に言われたわ。」
「邪影様もおっしゃってましたわ。」
「ワタシも冷樹様に言われた。」
「光成様もです。」
「じゃあ、火の国で買ってもらったら良いんじゃない?
あ、でも、国によって気候が違うから、どうなんだろ…。
合うのかな?」
「火の国に行きたいわ。
マリアちゃんが羨ましいわ。」
「今日、早く終わるから、ついでに来たらどう?」
「今日、早いんですの?!」
「マリア、よく知ってるわね。」
「炎舞様が言ってたのよ。
今日は、健康診断だって。」
「そうなんですの?!
「マリア様、何でも知ってるんですね。」
「炎舞様が教えてくれるから…。」
「そんなに、お話しの時間がございますの?」
「そうね…。
食事の時とか、出かけた時とか、お風呂の時とか、寝る時とか…。」
「ちょ…ちょっとお待ちください!
今、寝る時、お風呂の時って言いました?!」
「そうよ。
一緒にお風呂入ってるし、寝てるし…。」
 全員が、びっくりしていた。
 「え…。
夫婦だし、当たり前じゃないの?
炎舞様にも言われたし。」
「ワタシのとこは別よ?」
「私も。」
「わたしもです。」
「わたくしもですわ。
言えば、一緒に入りそうですけど…。
わたくしが恥ずかしくて…。」
「あたしも恥ずかしかったよ。
でも、夫婦だから。って言われて…。
言われたら、そうだよね…。ってなって…。」
「なるほど…。
それで、マリアは一緒に入ってるんだ?」
「そう。
後継も考えてるし…。」
「後継?!!」
 全員に叫ばれた。
 「じゃ…じゃあ…もう…。」
「そう。
ミカの想像通り。」
「マリア、大人じゃん!!」
「そうでもないけど…。
フィランストーストに喜ぶし。」
「フィランストースト…?
マリアさん、それは何ですの?」
「フレンチトーストのこと。
こっちでは、フィランストーストって言うんだって。
アイル達が教えてくれた。」
「へぇ…。
アイルって誰か分からないけど…。
マリアのメイド?」
「そうそう。
アイルとアイカが居るの。
双子なんだよ。」
「へぇ…。
マリア専属が居るって事だ?」
「そうなの。
この髪もアイカがしてくれたの。」
「今日の髪型、可愛いと思ってましたの。」
「アイカは、こういうのが得意みたいで…。
アクセサリー選びも、アイカは得意なの。」
「へぇ…。
マリアのとこ凄いなぁ。
ワタシのとこは、専属のメイドなんていないよ…。」
「わたしのとこもです。」
「私のとこも。」
「わたくしは、1人だけ居ますわ。」
「えっ、ヤエちゃんのとこも居るの?」
「ええ、居ますわ。
今日も連れて来てますの。
外で待ってますわ。」
「へぇ…。
マリアのとこは連れて来てないの?」
「うん。
お城に居る。」
 そこに、旦那達が迎えに来た。
 「マリア、お待たせ。」
「炎舞様!」
「ヤエ、行こうか。」
「邪影様、火の国に行って服を買ってください。」
「火の国で?」
「なんで、ぼくの国?」
「安いとお聞きしましたのです…。」
「分かった。
ヤエの気にいる服を買ってやろう。」
「ありがとうございますですわ。」
「では、これから行くとしよう。」
「はい。」
 ヤエと邪影様の会話を聞いて、全員が来ることになった。
 「服でしたら、シェリーが良いかと…。
24時間開いてますし、色んなお店がありますので、選ぶのに良いと思います。
ね?
炎舞様。」
「うん。
シェリー行けば?」
「炎舞、案内はしてくれないのか?」
「なんで、ぼくが?」
「お前の国だからだ。」
「嫌だよ。
ぼくは、忙しいんだよ!
ぼくがダメだからって、マリアに頼むなよ?」
「では、服を買ってやれないではないか!
ヤエの願いなのだ。」
「炎舞様、あたしからもお願いします。」
「マリア…。
仕方ないな…。
マリアの願いならきくよ。
案内する。
今からでいいか?」
「わたしは良いぞ。」
「私もだ。」
「わたくしも。」
「オレも。」
「じゃあ、シェリーの馬車止めに集合。」
 全員が、分かった。と答えた。
 シェリーの馬車止め場。
 全員が揃い、買い物に出かけた。
 「言っとくけど、春物しかないからな。」
「コートは、自国で買うさ。」
「冷樹は良いとして、他は?
李衣のとことか困るだろ。」
「リゾート系の服があれば…。」
「それは…リゾート地に行かないと…。」
「では、リゾート地を教えてください。
わたくし達は、そちらに行きます。」
「リゾートなら、ポンビエ、ベリーニ辺りか…。」
「どこが良いですか?」
「服買うなら、オレンジ・ブロッサムだな。
地図で言うとここ。」
「分かりました。
ミカ、そちらに行きましょう。」
「はい。」
 ミカ達は、オレンジ・ブロッサムに行った。
 「冬服はないか?」
「あるとしたら、カールトンだな。
地図で言うとここ。」
「なんだ、隣か。
ヒロ。
行ってみようぜ。」
「はい。」
 ヒロ達は、カールトンに行った。
 「私達は、ここで買う。
ユカの好きな服はなんだ?」
「マリア様のような服です。」
「では、マリアと同じ店で買ってやろう。」
「はい。
ありがとうございます。」
「ヤエは、どんな服がいい?」
「邪影の奥さんの感じだと、アヴァンティーだな。」
「では、そこに。」
「まずは、光成のとこの服売り場に連れて行くよ。」
「分かった。」
 炎舞様は、光成様とユカをアンクルージュに連れて行った。
 入った途端、ユカは大喜び。
 「じゃあ、好きなだけ買ってやれよ。」
「分かった。」
「邪影のは、こっち。」
「ここか?」
「そう。」
「ヤエ、入ろう。」
「はい。」
 ヤエ達が入り、それぞれが買い物している間、暇になったので、炎舞様とcafeに行く事にした。
 「cafeなら、プース・カフェって街なんだけど、それじゃ合流に間に合わないから、シェリーのcafeになるんだよね…。
どっかいいとこあったかなぁ…。」
 そんなこと考えていたら、光成様たちが帰って来た。
 「もう買ったのか?!」
「ああ。
私のとこは終わりだ。」
「ちゃんと買ってやったんだろうな?」
「うむ。
なぁ、ユカ?」
「はい。
沢山買ってもらいました。」
「なら良いけど。」
「では、帰るとする。」
「ん。」
「ではな。
炎舞。」
「ん。」
 光成様達は、光の国に帰って行った。
 次に帰って来たのは、邪影様夫婦。
 ヤエは満足そうだった。
 次に帰って来たのは、冷樹様夫婦。
 氷の国に近いと言うことで、冬服を取り扱っていたらしい。
 ヒロは、沢山買ってもらって満足気だった。
 最後に帰って来たのは、李衣様夫婦。
 思った服が沢山あったようで、大満足な顔のミカ。
 みんなが、それぞれの国に帰ったので、あたしと炎舞様も帰る事にした。
 お城に帰ると、アイル達が待っていた。
 「炎舞様、マリア様、おかえりなさいませ。」
「アイル。
ただいま。」
「マリア様、お疲れではありませんか?」
「少し疲れたわ…。」
「では、お部屋の方に…。」
「ありがとう。」
 炎舞様は、ショウタと自室に戻って行った。
 あたしも、仮の部屋に戻った。
 「アイル、アイカは?」
「アイカは、マリア様のために動いてます。」
「えっ、なになに?
気になる!」
「内緒にございます。
もう少ししたら帰って来ますので、本人にお聞きください。」
「分かったわ。」
 そこに、アイカが帰ってきた。
 アイカは、後ろに何かを隠しながら、あたしに近づいて来た。
 「アイカ、どうしたの?」
「王女様、こちらをご覧ください。」
 そう言って、アイカは隠していたものを、差し出してきた。
 「こ…これは…。」
「王女様のお部屋の壁紙などのサンプルです。」
「これを作ってくれてたの?」
「はい。」
「ありがとう!」
「いえ。
王女様、どんな感じにしたいか、これで作ってみてください。」
「分かったわ。」
 あたしは、自分の部屋から、置きたいものや、壁紙や照明などを決めていった。
 「流石、王女様。
可愛らしいお部屋ですね。」
「ありがとう。
自分の部屋はこれで。」
「お次は、ペットルームです。
用品は、シェリーにあるペットショップでお選びください。」
「分かったわ。」
 あたしは、壁紙などを決めていった。
 「王女様、モンスタールームには、シンクをお付けください。
容器を洗ったりするのに便利です。」
「分かったわ。」
 あたしは、アイカの言う通り、シンクも決めた。
 「お次は、クローゼットです。」
「分かったわ。」
 壁紙と照明などを選んだ。
 「お次は、ドレスのクローゼットです。」
「普通のと分けるの?」
「はい。」
「分かったわ。」
「お次は、実験室です。
ここは、シンクを2つお選びください。」
「分かったわ。」
 あたしは、壁紙とシンク2つと棚を選んだ。
 「実験道具は、お店がありますので、そちらで揃えてください。」
「分かったわ。」
「今のとこ、以上が王女様のお部屋になります。
明日にでも、炎舞様とグッズを買いに行かれてはいかがでしょう?」
「え、でも、まだ部屋出来ないでしょ?」
「大丈夫です。
壁紙を貼ったり、家具を置いたりするだけですし、クローゼットの中の物を移すだけですから、午前中には終わります。」
「そんなに早く?!」
「はい。
魔法も使いますので…。」
「なるほど。
じゃあ、炎舞様に相談するわ。」
「はい。」
 そこに、炎舞様が来た。
 あたしは早速お願いした。
 炎舞様は快く快諾してくれた。
 それから、一緒にお風呂に入り、お風呂上がりにジュースを飲んだ。
 今日のもマゴの実のジュースだった。
 アイル達が下がって、2人きりになると、炎舞様が求めて来たので、体を許した。
 今回は、服を着て眠った。
 朝、大変な事にならないように。