冷酷王子は、異世界から来た少女を溺愛する

 次の日。
 アイルとアイカ達が、起こしに来た。
 「おはようございます………。
っっ!!
アイカっ!!
みんなを出して!!」
「はいっっ!!」
 アイカは、慌てて外にみんなを出した。
 「えっっ炎舞様っっ!!
マリア様っっ!!
起きてください!!」
「ん…ア…イル…?」
「マリア様っっ!!」
「アイル?!
あたし裸っっ!!」
「マリア様っっ!!
すぐに、お召し物をっっ!!
炎舞様っっ!!
起きてくださいっっ!!」
「アイル!!?」
「炎舞様、お目覚めのようで…。
お召し物を早く着てください!」
「ああ…。」
「マリア様、ゆっくりで大丈夫です。
お体ダルいですよね…。
大丈夫です。
こちらのお召し物にお着替えください。
お手伝いいたします。」
「ありがとう…。」
「マリア、そんなにツラいの?」
「炎舞様、女性と男性は違います。
女性は、慣れるまでダルくなるんです。」
「そうなのか?!
マリア!
大丈夫っっ?!」
「大丈夫です。」
「炎舞様。
ご自身の控室で、ご準備下さい。」
「ん。
マリア、無理だったら、すぐに言ってね?」
「はい。」
「マリア様は、こちらを着ていただいて、こちらに…。」
 あたしは、アイルに手伝ってもらって、ドレスに着替えることになった。
 「アイカも呼びます。」
「分かったわ。」
 アイルはアイカを呼んできた。
 「王女様。
私もお手伝いさせていただきます。」
「お願い。」
「では、控室の参りましょう。
こちらになります。」
 アイカ達に案内されて控室に行った。
 「私はお化粧から失礼します。」
「ええ。
お願いするわ。」
 アイカがメイクしてくれた。
 「続いては、ヘアセットになります。
どんなのがいいですか?」
「ハーフアップがいい。」
「かしこまりました。」
 アイルとアイカが、ヘアセットしてくれた。
 「こちらアクセサリーになります。」
「ありがとう。」
「お着けします。」
「ありがとう。」
 アイカが着けてくれた。
 「最後に、ドレスになります。
ここに足をお入れください。」
「分かったわ。」
 あたしはアイカの方に手をやり、バランスをとりながら、右足を入れた。
 「もう片方もお願いします。」
「分かったわ。」
 あたしは先程と同じようにして足を入れた。
 「よいしょっ!」
 アイルとアイカは、掛け声と共に、ドレスに着替えさせてくれた。
 「靴はこちらになります。」
 アイルが靴を準備してくれた。
 「履かさせていただきます。」
 アイカが靴を履かせてくれた。
 「マリア様。
こちらで、お呼びされるまで、お待ちください。
何かございましたら、わたしにお申し付けください。
おそばにいますので。
アイカは、昨日のに取り掛かって。」
「分かったわ。」
 アイカは控室を出て行った。
 「マリア様、お飲み物はいかがですか?」
「今はいいわ。」
「かしこまりました。」
 アイルとの時間を楽しもうとしていたら、みんなが来てくれた。
 「マリアちゃん、すっっごく綺麗!!」
「ホントですわ。」
「うん。
綺麗!」
「綺麗です!」
「みんな…ありがとう。」
「これから、マリアちゃんパレードでしょ?」
「うん。」
「パレードしますの?」
「そうなの。」
「へぇ…。
ワタシ達も見れるの?」
「さぁ…。
どうだろ…。
アイル、どうなの?」
「申し訳ございません。
他国の王女様達は、見ることが叶いません。
式場で待っていただくことになります。」
「そうなんですね…。
残念です…。」
「ユカ…。」
「見たかったわ…。」
「ミカ…。」
「ホントですわね…。」
「ヤエ…。」
「ホント…。」
「ヒロ…。
みんな、会場では見れるから。」
「そうね。
会場で見れるのを楽しみにしましょ。」
 ヤエもユカもヒロも頷いた。
 「ねぇ、何で、昨日と同じ格好してるの?」
「それは…私のとこは、ドレスを買ってもらえなかったからよ。」
「わたくしは、好みでなかったので…。
わたくしには、マリアさんと同じような服は着れませんもの…。」
「わたしも買ってもらえませんでした。」
「ワタシのとこは、寒いから、コートしか買ってもらえなくて…。」
「そんな…。
アイル、炎舞様をお呼びして。」
「かしこまりました。」
 アイルは、すぐに炎舞様を呼んできてくれた。
 「炎舞様。
この王女達の格好を、ご覧ください。」
「昨日と一緒じゃん。
なんで?」
「買ってもらえなかったそうで…。」
「はっ?
これで参加させるつもり?」
 光成達は、慌てた。
 「この国で買おうと思ったんだ。
決して、買わないつもりだった訳では無いぞ。」
「ふぅーん…。
じゃあ、早く買ってこいよ。
店、閉まるけど?」
「そうだった!
ユカ、買いに行こう。
今すぐに。」
 他の国王達も王女にドレスを買うため出かけた。
 ドレスを買ってもらって帰ってきた王女達は、すぐに着替えた。
 「アクセサリーも揃えたのね。」
「そうなの。
李衣様が、これがいいだろうと…。」
「わたしもです。」
「わたくしも。」
「ワタシも。」
「良かった。
みんな素敵よ。」
「マリアさんには負けますわ。」
「ホント。
マリアちゃん綺麗。」
 ユカとヒロも頷いた。
 「ありがとう。」
「マリア。
そろそろ。」
「はい。
じゃあ、パレード行ってきます。」
 みんなに見送られながら、パレードに出発した。
 「まずは、北上して村からスタートするから。」
「分かりました。」
 みんなに見えるように、オープンカーならぬオープン馬車で、パレードを始めることに。
 パレード中、みんなが笑顔で手を振ってくれたので、あたしも手を振りやすかった。村から街に行き、パレードを終えると、今度は、アイカにブーケを渡された。
 ブーケは、希望通りの桜と胡蝶蘭で出来ていた。
 「まぁ、素敵。」
「マリア様。
今度は、バルコニーです。」
「分かったわ。」
 バルコニーに出ると、国民達が下に沢山集まっていて、歓声を上げていた。
 あたしは、炎舞様と一緒に手を振った。
 少しの間、手を振っていると、炎舞様が右手を上げた。
 すると、国民達は静かになった。
 「ぼくは、今日、ここに居るマリアと結婚する!
皆もマリアのことを大切にしてくれ!
ここで、誓いとして、マリアとキスをする。」
 炎舞様はそう言うと、優しくキスしてくれた。
 「続いて、ブーケトスに移る!
マリア、投げて。」
「はい。」
 あたしは思いっきりブーケを投げた。
 人の手をトントンと渡り、受け取ったのは、5歳くらいの女の子だった。
 女の子は、お父さんに肩車をしてもらっていた。
 あたしは、その女の子に、おめでとう。と言い、手を振った。
 女の子は照れながらも、手を振りかえしてくれた。
 「王女として、最高の返し方だよ。」
 炎舞様が小声で耳打ちしてきた。
 「ありがとうございます。」
 ブーケトスが終わると、今度は、式場に移った。
 招待客の前で、式を滞りなく済ませ、招待客に披露宴会場に移ってもらった。
 バタバタの中、アイルは飲み物を持って、一緒に移動してくれ、アイカはベールを持つ1人として、一緒に移動してくれていた。
 その頃の会場には、招待された貴族達が集まり始め、その中で揉めている席があった。
 それは、スリーヴァーをくっつけられた女の子と、女の子の親だった。
 「マナ!
帰りなさい!
王女様のこと認めて無いでしょ?」
「マナは、昔から炎舞様に惚れていた。
その炎舞様の奥様を見て平気なわけがない。
帰りなさい。」
「ママ…。
大丈夫よ。
もう、認めているもの。
王女様に会っても大丈夫。
祝福出来るわ。」
「信用出来ない。
帰りなさい。
パパからも言って。」
「マナ。
ママの言うとおりにしなさい。」
「嫌よ。
パパ。
大丈夫だから。」
「マナ…。
ママ、ここまで言うんだ。
居させてみようよ。」
「ダメよ!
パパ。
相手は王女様よ?
炎舞様のお怒りに触れるわ。
そうなったら、お家お取り潰しよ?」
「うーん…。
マナ。
本当に何もしないと誓えるか?」
「勿論よ。
パパ。」
「ママ。
居させてみよう。」
「パパ!
甘いのよ!
マナを帰らせて!」
「ママ…。」
「ママ、大丈夫だから。
マナ、本当に祝福するから。」
「リナもマナと一緒。
ちゃんと祝福出来る!」
「ダメだ!
セリナ、リナを連れて帰れ!」
「かしこまりました。
リナ様、参りましょう。
大人しく従ってください。
でないと、痛いことになりますよ。」
「くっ…。」
 リナは、強制的に連れて帰られた。
 「ユウカも帰りなさい。」
「嫌よ!」
「ダメだ!
セリカ、連れて帰れ!」
「はい!
旦那様。
ユウカ様、参りましょう。」
「どうしても?」
「はい。
旦那様のご命令ですから。」
「……分かったわ。」
 ユウカも帰らされた。
 「ナオミも帰れ!
その代わり、友達を呼んでパーティーしなさい。
パパ達が帰るまで。」
「ホント?
じゃあ、帰る。
みんな、うちにおいでよ。
遊ぼ!」
 この一言で、マナ以外は、ナオミの家に行くことにした。
 「マナ、ナオミちゃんのとこに行きなさい。」
「嫌よ!!
パパが良いって言ったもん。」
「マナ!」
 マナは言うことを聞かなかった。
 帰る組は、サッサとナオミの家に向かった。
 「マナちゃん、大丈夫なの?
王女様の事、炎舞様は溺愛していると噂よ?
帰った方が良くないかしら?」
「大丈夫です。」
 マナには、考えがあった。
 「(ここで帰されたら、なんにもならないわ。)
(王女様が1人になった時を狙うまで。)
(結婚式が終わったら、バタバタするだろうし、王女様が1人になる時があるわ。)
(その時まで待つっっ!!)」
 そんなマナの野望を知らず、あたしと炎舞様は、腕を組んで、一礼して会場に入った。
 みんなの拍手の中、高砂の席に着いた。
 歓談の時間になり、色んな人が来た。
 「マリア。
貴族達も話しに来てるから、対応してね。」
「はい。」
 ヤエ、ユカ、ヒロ、ミカと話しをしていると、貴族達も話しかけてきた。
 「王女様、失礼します。
わたくしは、ハーベルト・マシューと申します。
こちらは妻のハーベルト・マリーです。」
「マリーです。」
「そして、娘のハーベルト・マナです。」
「マナです。」
「マナとは顔見知りとか…。」
「ええ…まぁ…。
(この子選別の時の…。)」
「この火の国で400年もの間、貴族として守ってきました。
娘は、王女様と顔見知りとか…。
どうか、名前だけでも覚えていただけたら、幸いに思います。」
「はい。
(貴族だったんだ…。)
(何も無ければ良いけど…。)」
「次は、私が…。
王女様、私はルミエル・シューと申します。
こちらは妻のルミエル・レイカです。」
「レイカです。」
「私達も火の国に400年前から続く貴族です。」
「そうなんですね。
よろしくお願いします。」
「次は、わたし。
わたしは、リーガン・ケントと申します。
こちらは妻のケリーです。」
「ケリーです。」
「わたし達は、火の国に350年続く貴族です。」
「分かりました。
よろしくお願いします。」
「次は、わたくしが。
わたくしは、イリアス・リュウと申します。
こちらは妻のケイトです。」
「ケイトです。」
「わたくし達も350年続く貴族です。」
「よろしく願いします。」
「次は、わたしが…。
わたしは、アルト・バイルと申します。
こちらは妻のメアリーです。」
「メアリーです。」
「わたし達も350年続く貴族です。」
「よろしくお願いします。」
「最後は、私が…。
私は、ストリーバー・ミハルと申します。
こちらは妻のユイカです。」
「ユイカです。」
「私達も350年続く貴族です。」
「これからも、よろしくお願いします。」
 貴族との会話が終わると、1回目のお色直しの時間になった。
 あたしは一度下がって着替えた。
 今度は、パステルカラーのパープルにした。
 会場に入ると、拍手で迎えられた。
 会場のライトが、ホワイトになった。
 まだ、歓談が続き、他の貴族とも話した。
 「(貴族覚えるの大変…。)
(こんなに大勢覚えられないよ…。)」
 次々に貴族に話しかけられ、てんやわんやのとこで、最後のお色直しになった。
 最後は、パステルカラーのピンクにした。
 会場のライトがパープルになった。
 友達のみんなは気付き、その事を話しにきてくれた。
 「会場のライト、マリアさんのドレスに合わせて変わるんですのね。
素敵ですわ。」
「そうなの。
そうしてもらったんだ。」
「マリアちゃん、細部まで拘ったのね。
凄いわ。」
「そうなの。
ウェディングプランナーのタグチさんと炎舞様と決めたのよ。」
「ウェディングプランナー付けてもらったんだ?
ワタシの式にも付けてもらお。」
「それ、良いですね。
わたしもそうします。」
「わたくしも。」
「私も。
やっぱり、失敗したくないし。」
「そうなのよ。
ここでは、この一度きりだから…。」
「そうよね。
私は、最初で最後だから、そうしてもらうわ。」
「ワタシも。」
「わたくしも。」
「わたしも光の国では最初で最後なので、後悔しないようにします。」
 披露宴が終わり、最後に見送りに並んだ。
 みんなが帰って、アイルとアイカが、あたしの控室について来てくれた。
 「ドレス、脱ごうかな…。」
「お手伝いします。」
「アイルは、部屋に戻って、お風呂の準備してくれる?」
「かしこまりました。
アイカ、頼んだよ。」
「任せて。」
 アイカに手伝ってもらってドレスを脱いだ。
 「アイカ、アクセサリーも外すわ。」
「かしこまりました。」
 ドレスを脱いだり、アクセサリーを取ったりしている間に、マナは城内に残っていた。
 「(王女の部屋は…?)
(広すぎて、どこか分からないわ。)
(でも、諦められない!)」
 マナは、私の部屋を探していた。
 その時、マナの背後から剣を突きつけた人が居た。
 セッドだった。
 「何者?
王女様を狙っての事か?
それとも、国王様か?
どちらにせよ、ここまでだ!
ゆっくり、こちらを向け。」
 マナは大人しくセッドの方を向いた。
 「マナ!!
お前ここで何してる?!
父さんと母さんは?」
「迷子になったの。」
「そんな嘘が通用するとでも…?」
「ホントよ。
兄さん疑うの?」
「はぁ…。
炎舞様に見つかったら、殺されるぞ。
早く出て行け!
出口まで連れてってやる。」
 セッドに会った事で、マナは帰るしか無くなった。
 マナは、無事両親の元に帰った。
 「(兄さんに見つからなきゃ良かったのに…。)
(流石、城内の警備。)
(これは、考えないとダメね…。)」
 マナの策略は、まだ終わらない。
 その頃、あたしと炎舞様は、仲良くお風呂に入っていた。
 お風呂の後は、アイルが飲み物を出してくれた。
 「本日は、マゴの実のジュースです。」
「いただきます。」
「ん。」
「あ、マンゴーみたい。
美味しい。
昨日のより、こっちが好き。」
「では、明日もこのジュースにさせていただきます。」
「ありがとう。」
「それでは失礼します。」
 アイルが下がると、炎舞様が話しかけてきた。
 「明日は、中央の国に行くよ。」
「はい。」
「今回は、診察だから、早く終わるよ。」
「診察…ですか?!」
「そう。
国王は健康でなくちゃダメだからね。」
「なるほど…。」
「ほら、光成とか、おじさんだし。」
「確かに、健康大事かも…。」
「ふふふ…。
おじさん扱いしてる。」
「あっ!」
「いいんだよ。
実際おじさんだし。
今日は疲れたでしょ?
寝よう。」
「はい。」
 あたし達は眠った。