「ここから迷いの森に入るよ。
飛んでくるモンスターもいるから、気を付けて。」
「はい。」
あたし達は、迷いの森の上空に入った。
すると、人サイズのコウモリみたいなモンスターが何体かあたし達に向かって来た。
リトラは、それらに威嚇した。
「リトラ!
危ないっ!!」
リトラがやられそうになり、あたしはリトラを守りながら、剣を出した。
「くっ!!
(暴れる気満々のドラゴンを抑えながら戦うの大変なんだよ!)
(マリア、普通に戦ってるけど、怖くないのかな?)
(リトラ、守りながらだし…。)」
あたしは、バズーカを出した。
「(バズーカ?!)
(戦う気満々じゃんっ!!)」
炎舞様も魔法を使って、モンスターと戦っていた。
大半のモンスターは、バズーカで倒した。
「マリア。
大丈夫?!」
「はい。」
「リトラは?」
「大丈夫です。」
「良かった。
もう少しで、森を抜けるから!」
「はい。」
「ってか、バズーカもらったの?!」
「はい。
ダメでした?」
「いや、いいんだけど…。
(まさか、バズーカ持ってくるとは…。)」
「(バズーカ、ダメだったのかしら…。)」
「森を抜けたら、火の国だからね。」
「はい。」
それから、モンスターと戦いながら、迷いの森を抜けた。
「ここから、火の国になるからね。」
「はい。」
火の国に入ると、モンスター達は、迷いの森に帰って行った。
「真ん中の大きな建物が、ぼく達の城だよ。
その手前にある明るい街は、シェリーと言って、火の国のなかで1番大きな街で、何でも揃う上に24時間営業の店も沢山あるんだ。
あとで、行ってみる?」
「はい!!」
「OK!
じゃあ、あとで行こう!!」
「はい。」
あたし達は、お城の屋上に降りた。
「これが、城。
城の皆、マリアが来ること、楽しみにしていたんだよ。」
「そうなんですか?!」
「そうだよ。
あっ、そうそう、買うものは、遠慮したらダメだよ?
ぼくの資産は、マリアが思っているより、何倍もあるから。」
「はい。」
ドラゴンから降りると、5人ほどの人が出てきた。
「バトラーとメイドだよ。
ドラゴンにおやつをあげるのと、ぼく達の迎えさ。」
バトラーは、炎舞様の言う通り、ドラゴンにおやつをあげた。
ドラゴンは、おやつをもらうと、飛び立った。
「どこに行ったんですか?」
「寝床だよ。」
ドラゴンが寝床に行くと、それまでドラゴンに隠れていた、メイドとバトラーが、お目見えした。
「おかえりなさいませ!
炎舞様、マリア様。」
「ん。
これから、結婚式の準備をして、マリアとシェリーに行く。
馬車を用意しろ!」
「(結婚式?!)
(夫婦になったんだから当たり前か…。)」
「かしこまりました。」
バトラー達は、下がった。
「アイル!
アイカ!」
「はいっ!!」
炎舞様に呼ばれて同時に返事し、現れたのは可愛い双子の女の子。
「王女のペットルームが出来るまで、リトラをぼくのペットルームに連れて行け。
そのあと、王女を王女の仮の部屋に連れて行ってくれ。
そこで、今日する事を話すから。」
「かしこまりました。」
「マリア、2人について行って。」
「はい。」
「王女様、こちらです。
まずは、リトラ様のお部屋から…。
リトラ様には、国王様がおっしゃられた通り、国王様のペットルームでお過ごしいただきます。
こちらが、国王様のペットルームでございます。
どうぞ、お入り下さい。」
あたしは、リトラを抱えて、中に入った。
炎舞様のペットルームには、15個くらい、猫の寝床みたいなのがあって、ミニドラゴンが8匹、個別に鳥籠みたいなとこに入っていた。
「リトラ。
ここが、お前のお部屋だって。
お部屋ちゃんと作ってあげるからね?」
リトラは、あたしの手から降り、寝床の置かれた台の下で眠り始めた。
「アイル、アイカ、これはどう言うこと?
なぜ、リトラは下で寝るの?」
「それは、他のリトの寝床だからです。
リトラ様は、自分の寝床を準備されてないことが、分かっていらっしゃるのです。
リトラ様は、賢い子です。」
「そうなのね…。
早く、リトラの寝床を準備しなくちゃ…。」
「そうですね。
では、お次に王女様の仮のお部屋に参りましょう。」
「分かったわ。」
あたしは、2人について行った。
すると、途中で2人が振り向いた。
「あのっ!!
王女様!!」
「マリア様!!」
「なっ…なに?!」
「どうやって、炎舞様を笑顔にされたんですか?!」
「えっ…?」
「炎舞様、お城でも外でも、笑顔を見せることなく、とても冷たくて有名なんですよ?
それなのに、マリア様の前では、笑顔でお優しくて…。
なにか、特別なことされたんですか?」
「炎舞様ってそんな方だったの?!
初めてお会いした時から、あたしには笑顔だったわ。
優しく声をかけていただいたり…。
何か特別なことしたわけではないわ。」
「そうなんですね…。」
「(そんなに、笑わないのかしら…。)」
2人は、前を向き、また、歩き出した。
「こちらが、王女様の仮のお部屋になります。」
アイカは、部屋の扉を開いた。
仮の部屋と言えど、王女の部屋ということもあり、お部屋は充分すぎるくらいに広かった。
「こちらの壁は、一面クローゼットなのね。」
「はい。」
「ステキなお部屋ね。」
「王女様、こちらは、あくまで仮のお部屋ですので、王女様の本当のお部屋はもっと広いですよ。」
「そうなの?」
「はい。
マリア様、お花を生けましょうか?」
「そうね。
お願い。」
あたしは、桜をアイルに渡した。
「かしこまりました。」
そこに、炎舞様が来た。
「マリア、お待たせ。」
「炎舞様。」
あたしは、炎舞様に会えて、笑顔になった。
「(この笑顔、ずるいよなぁ…。)
(益々、好きになる…。)
あー…。
マリア。
今日これからすること話すよ。
まず、ぼく達の結婚式で着る、ウェディングドレスとカクテルドレスを選んで欲しい。
お色直しは、1回以上。
1回以上なら、何回してもいいよ。」
「分かりました。」
「結婚式は明日。」
「あ…明日ですか?!」
「そうだよ。
パレードもするから。」
「パレード?!」
「国のトップの結婚だから、王女様をお披露目しないと…。」
「そうですよね…。」
「うんっ!
じゃあ、ウェディングプランナーを呼んでいるから、紹介するねっ!」
「お初にお目にかかります。
ウェディングプランナーのタグチです。
よろしくお願い致します。」
「こちらこそ、よろしく。」
「では、王女様。
まずは、どんなドレスが着たいですか?
王女様にオススメなのはAラインなのですが…。
いかがでしょう?」
「プリンセスラインも気になるんだけど…。」
「では、その2パターンのみ残しましょう。」
タグチさんは、2パターン以外のものを下げさせた。
「王女様、1着1着見て回りましょう。」
「そうね。」
あたしは、タグチさんと見て回ることにした。
「王女様、着てみたいドレスをわたしに渡してください。」
「分かったわ。」
あたしは、着てみたいドレスをタグチさんに渡した。
選び終えると、タグチさんは、残りを下げさせた。
「王女様、右からと左からのどちらからお着替えなさいますか?」
「右からにするわ。」
「かしこまりました。」
あたしは、Aラインドレスから着てみることにした。
最後のAラインドレスを着ようとした時、タグチさんが、パニエを持ってきた。
「こちらのAラインドレスは、中にパニエを履きますので、プリンセスラインと、変わらないくらい、ふんわりしたドレスになります。
こちらが、パニエです。」
あたしは、パニエを履いてみた。
「ホントに、ふんわりしてるわ。
プリンセスラインみたい。」
「いかがでしょう?」
「うーん…。
良いんだけど、プリンセスラインも着てみたいのよねぇ…。
着てみてもいい?」
「勿論です。」
あたしは、念願のプリンセスラインを着てみた。
「うーん…。
これか、Aラインドレスがいいな…。
どっちにしよう…。」
「悩みますよね…。
炎舞様に聞いてみますか?」
「うん。
炎舞様、どっちがいいですか?」
「ぼく?!
そうだな…。
ぼくは、初めのドレスの方が似合ってるって思ったけど…。」
「じゃあ、Aラインのドレスにするわ。」
「マリアが着るのにいいの?」
「はい。
炎舞様と選んだことに大切な意味がありますから。」
「ならいいけど…。」
「ベール、ティアラ、アクセサリー、靴はドレスについていたものでいいですか?」
「どんなものが、ついてるのか見てもいい?」
「はい。
お持ち致します。」
タグチさんは、すぐに持ってきてくれた。
「まず、靴からでございます。
こちらは、白のパンプスにビジューのようにダイヤを散りばめたものになります。
バックはリボンが付いていて、長さを調節出来るようになっています。」
「ステキ!!」
「お次は、ティアラとアクセサリーにございます。
こちらも靴と同じく、ダイヤが使われております。」
「ドレスに合って、ステキだわ。」
「最後は、ベールにございます。
こちらは、長めのベールになっており、ベール持ちが大人の方を推奨しております。
以上が、こちらのドレスについているものになります。
お次は、王女様は、何の花が1番好きですか?」
「桜と胡蝶蘭よ。」
「かしこまりました。
では、ブーケは、胡蝶蘭と桜で仕上げさせていただきます。」
「嬉しいっ!」
「お次に、カクテルドレスになります。
王女様。
王女様のお好きなお色をお教えください。」
「パステルカラーとエンジよ。」
「では、パステルカラーの中でお好きなお色は?」
「ピンク、ブルー、パープルよ。」
「かしこまりました。」
タグチさんは、パステルピンク、パステルブルー、パステルパープルだけを残し、あとは下げた。
「王女様。
こちらの中からお選びください。」
「分かったわ。」
あたしは、タグチさんと一緒に周り、ドレスを選んでいった。
カラードレスは、ピンクとパープルにした。
「カラードレスにも、ティアラ、アクセサリー、靴がついております。
ご覧になりますか?」
「ええ。
お願い。」
「まず、こちらが、パステルピンクのドレス用の靴になります。
ガラスの靴にビジューが散りばめられたものです。」
「ステキ!!」
「こちらは、セットのアクセサリーになります。
ビジューとパールで可憐な花嫁を演出しているお品です。」
「まぁ、ステキ!!」
「こちらは、パープルのドレスの靴になります。
パープルの靴は、パープルのお色にパールの飾りが散りばめられていて、上品な靴に仕上がっております。
アクセサリーはこちら。
こちらも、パールで上品に仕上げられていて、王女様の上品さがより一層引き立てられるかと…。」
「ステキだわ!!
これにします。」
「かしこまりました。」
「マリアは、決めるの早いね。」
「こう言うものは、悩めば悩むほど決まらないものでございます。」
「そう言うもんなのか?」
「はい。
では、食堂に参らせていただけますか?」
「分かった。
案内しよう。
こちらだ。」
あたし、タグチさん、あいる、あいかの4人は炎舞様について行った。
「ここが、食堂だ。」
アイルが扉を開け、あたし達は、食堂に入った。
「アイカ、みんなに飲み物を持って来てくれる?」
「かしこまりました。
王女様。」
あいかは、3人にお茶を持って来た。
「国王様、王女様、タグチ様。
どうぞ。
お茶です。」
「ありがとう。
アイカ。」
あたしは、アイカにお礼を言った。
タグチさんは、分厚い本を出してきた。
「こちらが、コース料理になります。
まずは、わっちコース。」
「わっちとは…?」
「マリアの世界では和食と呼ばれているものだよ。」
「なるほど…。」
「お次が、わっちとフィランスのコースにでございます。」
「フィランス…?」
「マリアの世界では、フランスと呼ばれているものだよ。」
「なるほど…。」
「最後は、フィランスコースにございます。
どのコースになさいますか?」
「マリアが決めていいよ。」
「いいんですか?」
「うん。
花嫁さんが主役だからね。」
「じゃあ、フィランスコースで。」
「かしこまりました。
では、コースにお入れするお料理を、試食されながら、お決め下さい。」
「試食…?」
あたしと炎舞様は、声を揃えて言った。
「はい。
では、お料理をお出し致します。」
そう言うと、タグチさんは、本に手を翳(かざ)した。
すると、次々にフィランスコースのお料理が出てきた。
「まずは、前菜でございます。
こちらのお皿から1つお選びください。
1つのお皿に1品以上乗っているものは、1皿と勘定されますので、1品となります。」
「分かったわ。」
あたしは、炎舞様と相談して、1皿に3品乗っているものにした。
スープは、春を感じられない国もあるので、春野菜のスープに決めた。
魚料理は春野菜とタラのアクアパッツアにした。
お口直しは、ベリーシャーベットに決めた。
お肉料理は、子羊のソテーフォアグラを乗せてにした。
デザートは、ウェディングケーキとフルーツの盛り合わせに決めた。
「お料理は決まりましたので、ウェディングケーキをお考えください。」
「あたし、苺が好きなので、苺を沢山使ったケーキがいいです。」
「王女の言う通りに。」
「かしこまりました。
では、こちらはいかがですか?」
タグチさんは、ケーキを魔法で見せてくれた。
「3段より、5段がいいわ。」
「かしこまりました。
では、こんな感じでございましょうか?」
タグチさんは、5段ケーキを見せてくれた。
「これがいいわ。
土台は四角いケーキにして。」
「かしこまりました。
こんな感じでいかがでしょうか?」
「これがいいわ。」
「かしこまりました。
引き出物は、いかがなさいますか?」
「絶対に入れて欲しいのが、桜のバームクーヘン。」
「かしこまりました。
それでしたら、ワンホール桜のバームクーヘンをメインに、焼き菓子をセットでお入れいたしましょう。
他のものは、こちらで選ばせていただきましょうか?」
「それがいいわ。」
「かしこまりました。
では、会場のセッティングに参りましょう。
国王様、会場に連れて行っていただけますか?」
「分かった。」
「分かったわ。」
あたし達は、炎舞様について行って、会場を見た。
会場は、とても広く驚いた。
「何名様お呼びになるご予定ですか?」
「3000人だ。」
「(国王様となれば、規模が違うわ…。)
3000名様ですね。
かしこまりました。
では、こちらの会場の飾りはいかがでしょうか?」
「薔薇より桜がいいわ。」
「かしこまりました。
では、こちらはいかがですか?」
「ステキ!!」
「では、こちらで。」
「うん。
あと、会場の入り口に桜のアーチを。」
「かしこまりました。
では、会場のお色ですが、ウェディングドレスの時はピンク、ピンクのカラードレスの時はパープル、パープルの時はホワイトにしてはいかがでしょう?」
「ステキ!!
そうして!!」
「かしこまりました。」
「桜とパステルカラーがマッチしてていいね。
マリアのセンスいいんだね。」
「そうでしょうか…。」
あたしは、照れた。
「では、3000名様の名簿をいただけますか?
招待状をお送りいたします。」
「分かった。
ショウタ!!
名簿を持ってこい!!」
「かしこまりました。」
ショウタは、すぐに名簿を持って来た。
炎舞様は、それをタグチさんに渡した。
「お借りいたします。
わたしは、準備に入らせていただきますので、国王様、王女様お気になさらず、ごゆっくりお休みください。」
「頼んだ!
マリア、シェリーに行こうよ!!」
「はい。
(あたしに対する顔と、他の人に対する顔が、全然違うんですけど…。)」
「今、ドレスしかないから、シェリーで買おう!!」
「ありがとうございます。」
「馬車乗り場に行くよ。」
「はい。」
あたし達は、忙しそうに働くタグチさんを会場に残し、馬車乗り場に行った。
「国王様、護衛にセッドをお呼び致しました。」
「ん。」
アイカに「ん。」と言っただけの炎舞様…。
「(本当に冷たいのね…。)」
そこに、セッドが来た。
「国王様、お呼びでしょうか?」
「これから、マリアとシェリーに行く。
護衛せよ。」
「はっ!!」
あたし達3人は、馬車に乗り、シェリーに向かった。
「シェリーには、すぐに着くよ。
城の真上くらいにある街だから。」
「はい。
分かりました。」
炎舞様の言う通り、すぐに着いた。
飛んでくるモンスターもいるから、気を付けて。」
「はい。」
あたし達は、迷いの森の上空に入った。
すると、人サイズのコウモリみたいなモンスターが何体かあたし達に向かって来た。
リトラは、それらに威嚇した。
「リトラ!
危ないっ!!」
リトラがやられそうになり、あたしはリトラを守りながら、剣を出した。
「くっ!!
(暴れる気満々のドラゴンを抑えながら戦うの大変なんだよ!)
(マリア、普通に戦ってるけど、怖くないのかな?)
(リトラ、守りながらだし…。)」
あたしは、バズーカを出した。
「(バズーカ?!)
(戦う気満々じゃんっ!!)」
炎舞様も魔法を使って、モンスターと戦っていた。
大半のモンスターは、バズーカで倒した。
「マリア。
大丈夫?!」
「はい。」
「リトラは?」
「大丈夫です。」
「良かった。
もう少しで、森を抜けるから!」
「はい。」
「ってか、バズーカもらったの?!」
「はい。
ダメでした?」
「いや、いいんだけど…。
(まさか、バズーカ持ってくるとは…。)」
「(バズーカ、ダメだったのかしら…。)」
「森を抜けたら、火の国だからね。」
「はい。」
それから、モンスターと戦いながら、迷いの森を抜けた。
「ここから、火の国になるからね。」
「はい。」
火の国に入ると、モンスター達は、迷いの森に帰って行った。
「真ん中の大きな建物が、ぼく達の城だよ。
その手前にある明るい街は、シェリーと言って、火の国のなかで1番大きな街で、何でも揃う上に24時間営業の店も沢山あるんだ。
あとで、行ってみる?」
「はい!!」
「OK!
じゃあ、あとで行こう!!」
「はい。」
あたし達は、お城の屋上に降りた。
「これが、城。
城の皆、マリアが来ること、楽しみにしていたんだよ。」
「そうなんですか?!」
「そうだよ。
あっ、そうそう、買うものは、遠慮したらダメだよ?
ぼくの資産は、マリアが思っているより、何倍もあるから。」
「はい。」
ドラゴンから降りると、5人ほどの人が出てきた。
「バトラーとメイドだよ。
ドラゴンにおやつをあげるのと、ぼく達の迎えさ。」
バトラーは、炎舞様の言う通り、ドラゴンにおやつをあげた。
ドラゴンは、おやつをもらうと、飛び立った。
「どこに行ったんですか?」
「寝床だよ。」
ドラゴンが寝床に行くと、それまでドラゴンに隠れていた、メイドとバトラーが、お目見えした。
「おかえりなさいませ!
炎舞様、マリア様。」
「ん。
これから、結婚式の準備をして、マリアとシェリーに行く。
馬車を用意しろ!」
「(結婚式?!)
(夫婦になったんだから当たり前か…。)」
「かしこまりました。」
バトラー達は、下がった。
「アイル!
アイカ!」
「はいっ!!」
炎舞様に呼ばれて同時に返事し、現れたのは可愛い双子の女の子。
「王女のペットルームが出来るまで、リトラをぼくのペットルームに連れて行け。
そのあと、王女を王女の仮の部屋に連れて行ってくれ。
そこで、今日する事を話すから。」
「かしこまりました。」
「マリア、2人について行って。」
「はい。」
「王女様、こちらです。
まずは、リトラ様のお部屋から…。
リトラ様には、国王様がおっしゃられた通り、国王様のペットルームでお過ごしいただきます。
こちらが、国王様のペットルームでございます。
どうぞ、お入り下さい。」
あたしは、リトラを抱えて、中に入った。
炎舞様のペットルームには、15個くらい、猫の寝床みたいなのがあって、ミニドラゴンが8匹、個別に鳥籠みたいなとこに入っていた。
「リトラ。
ここが、お前のお部屋だって。
お部屋ちゃんと作ってあげるからね?」
リトラは、あたしの手から降り、寝床の置かれた台の下で眠り始めた。
「アイル、アイカ、これはどう言うこと?
なぜ、リトラは下で寝るの?」
「それは、他のリトの寝床だからです。
リトラ様は、自分の寝床を準備されてないことが、分かっていらっしゃるのです。
リトラ様は、賢い子です。」
「そうなのね…。
早く、リトラの寝床を準備しなくちゃ…。」
「そうですね。
では、お次に王女様の仮のお部屋に参りましょう。」
「分かったわ。」
あたしは、2人について行った。
すると、途中で2人が振り向いた。
「あのっ!!
王女様!!」
「マリア様!!」
「なっ…なに?!」
「どうやって、炎舞様を笑顔にされたんですか?!」
「えっ…?」
「炎舞様、お城でも外でも、笑顔を見せることなく、とても冷たくて有名なんですよ?
それなのに、マリア様の前では、笑顔でお優しくて…。
なにか、特別なことされたんですか?」
「炎舞様ってそんな方だったの?!
初めてお会いした時から、あたしには笑顔だったわ。
優しく声をかけていただいたり…。
何か特別なことしたわけではないわ。」
「そうなんですね…。」
「(そんなに、笑わないのかしら…。)」
2人は、前を向き、また、歩き出した。
「こちらが、王女様の仮のお部屋になります。」
アイカは、部屋の扉を開いた。
仮の部屋と言えど、王女の部屋ということもあり、お部屋は充分すぎるくらいに広かった。
「こちらの壁は、一面クローゼットなのね。」
「はい。」
「ステキなお部屋ね。」
「王女様、こちらは、あくまで仮のお部屋ですので、王女様の本当のお部屋はもっと広いですよ。」
「そうなの?」
「はい。
マリア様、お花を生けましょうか?」
「そうね。
お願い。」
あたしは、桜をアイルに渡した。
「かしこまりました。」
そこに、炎舞様が来た。
「マリア、お待たせ。」
「炎舞様。」
あたしは、炎舞様に会えて、笑顔になった。
「(この笑顔、ずるいよなぁ…。)
(益々、好きになる…。)
あー…。
マリア。
今日これからすること話すよ。
まず、ぼく達の結婚式で着る、ウェディングドレスとカクテルドレスを選んで欲しい。
お色直しは、1回以上。
1回以上なら、何回してもいいよ。」
「分かりました。」
「結婚式は明日。」
「あ…明日ですか?!」
「そうだよ。
パレードもするから。」
「パレード?!」
「国のトップの結婚だから、王女様をお披露目しないと…。」
「そうですよね…。」
「うんっ!
じゃあ、ウェディングプランナーを呼んでいるから、紹介するねっ!」
「お初にお目にかかります。
ウェディングプランナーのタグチです。
よろしくお願い致します。」
「こちらこそ、よろしく。」
「では、王女様。
まずは、どんなドレスが着たいですか?
王女様にオススメなのはAラインなのですが…。
いかがでしょう?」
「プリンセスラインも気になるんだけど…。」
「では、その2パターンのみ残しましょう。」
タグチさんは、2パターン以外のものを下げさせた。
「王女様、1着1着見て回りましょう。」
「そうね。」
あたしは、タグチさんと見て回ることにした。
「王女様、着てみたいドレスをわたしに渡してください。」
「分かったわ。」
あたしは、着てみたいドレスをタグチさんに渡した。
選び終えると、タグチさんは、残りを下げさせた。
「王女様、右からと左からのどちらからお着替えなさいますか?」
「右からにするわ。」
「かしこまりました。」
あたしは、Aラインドレスから着てみることにした。
最後のAラインドレスを着ようとした時、タグチさんが、パニエを持ってきた。
「こちらのAラインドレスは、中にパニエを履きますので、プリンセスラインと、変わらないくらい、ふんわりしたドレスになります。
こちらが、パニエです。」
あたしは、パニエを履いてみた。
「ホントに、ふんわりしてるわ。
プリンセスラインみたい。」
「いかがでしょう?」
「うーん…。
良いんだけど、プリンセスラインも着てみたいのよねぇ…。
着てみてもいい?」
「勿論です。」
あたしは、念願のプリンセスラインを着てみた。
「うーん…。
これか、Aラインドレスがいいな…。
どっちにしよう…。」
「悩みますよね…。
炎舞様に聞いてみますか?」
「うん。
炎舞様、どっちがいいですか?」
「ぼく?!
そうだな…。
ぼくは、初めのドレスの方が似合ってるって思ったけど…。」
「じゃあ、Aラインのドレスにするわ。」
「マリアが着るのにいいの?」
「はい。
炎舞様と選んだことに大切な意味がありますから。」
「ならいいけど…。」
「ベール、ティアラ、アクセサリー、靴はドレスについていたものでいいですか?」
「どんなものが、ついてるのか見てもいい?」
「はい。
お持ち致します。」
タグチさんは、すぐに持ってきてくれた。
「まず、靴からでございます。
こちらは、白のパンプスにビジューのようにダイヤを散りばめたものになります。
バックはリボンが付いていて、長さを調節出来るようになっています。」
「ステキ!!」
「お次は、ティアラとアクセサリーにございます。
こちらも靴と同じく、ダイヤが使われております。」
「ドレスに合って、ステキだわ。」
「最後は、ベールにございます。
こちらは、長めのベールになっており、ベール持ちが大人の方を推奨しております。
以上が、こちらのドレスについているものになります。
お次は、王女様は、何の花が1番好きですか?」
「桜と胡蝶蘭よ。」
「かしこまりました。
では、ブーケは、胡蝶蘭と桜で仕上げさせていただきます。」
「嬉しいっ!」
「お次に、カクテルドレスになります。
王女様。
王女様のお好きなお色をお教えください。」
「パステルカラーとエンジよ。」
「では、パステルカラーの中でお好きなお色は?」
「ピンク、ブルー、パープルよ。」
「かしこまりました。」
タグチさんは、パステルピンク、パステルブルー、パステルパープルだけを残し、あとは下げた。
「王女様。
こちらの中からお選びください。」
「分かったわ。」
あたしは、タグチさんと一緒に周り、ドレスを選んでいった。
カラードレスは、ピンクとパープルにした。
「カラードレスにも、ティアラ、アクセサリー、靴がついております。
ご覧になりますか?」
「ええ。
お願い。」
「まず、こちらが、パステルピンクのドレス用の靴になります。
ガラスの靴にビジューが散りばめられたものです。」
「ステキ!!」
「こちらは、セットのアクセサリーになります。
ビジューとパールで可憐な花嫁を演出しているお品です。」
「まぁ、ステキ!!」
「こちらは、パープルのドレスの靴になります。
パープルの靴は、パープルのお色にパールの飾りが散りばめられていて、上品な靴に仕上がっております。
アクセサリーはこちら。
こちらも、パールで上品に仕上げられていて、王女様の上品さがより一層引き立てられるかと…。」
「ステキだわ!!
これにします。」
「かしこまりました。」
「マリアは、決めるの早いね。」
「こう言うものは、悩めば悩むほど決まらないものでございます。」
「そう言うもんなのか?」
「はい。
では、食堂に参らせていただけますか?」
「分かった。
案内しよう。
こちらだ。」
あたし、タグチさん、あいる、あいかの4人は炎舞様について行った。
「ここが、食堂だ。」
アイルが扉を開け、あたし達は、食堂に入った。
「アイカ、みんなに飲み物を持って来てくれる?」
「かしこまりました。
王女様。」
あいかは、3人にお茶を持って来た。
「国王様、王女様、タグチ様。
どうぞ。
お茶です。」
「ありがとう。
アイカ。」
あたしは、アイカにお礼を言った。
タグチさんは、分厚い本を出してきた。
「こちらが、コース料理になります。
まずは、わっちコース。」
「わっちとは…?」
「マリアの世界では和食と呼ばれているものだよ。」
「なるほど…。」
「お次が、わっちとフィランスのコースにでございます。」
「フィランス…?」
「マリアの世界では、フランスと呼ばれているものだよ。」
「なるほど…。」
「最後は、フィランスコースにございます。
どのコースになさいますか?」
「マリアが決めていいよ。」
「いいんですか?」
「うん。
花嫁さんが主役だからね。」
「じゃあ、フィランスコースで。」
「かしこまりました。
では、コースにお入れするお料理を、試食されながら、お決め下さい。」
「試食…?」
あたしと炎舞様は、声を揃えて言った。
「はい。
では、お料理をお出し致します。」
そう言うと、タグチさんは、本に手を翳(かざ)した。
すると、次々にフィランスコースのお料理が出てきた。
「まずは、前菜でございます。
こちらのお皿から1つお選びください。
1つのお皿に1品以上乗っているものは、1皿と勘定されますので、1品となります。」
「分かったわ。」
あたしは、炎舞様と相談して、1皿に3品乗っているものにした。
スープは、春を感じられない国もあるので、春野菜のスープに決めた。
魚料理は春野菜とタラのアクアパッツアにした。
お口直しは、ベリーシャーベットに決めた。
お肉料理は、子羊のソテーフォアグラを乗せてにした。
デザートは、ウェディングケーキとフルーツの盛り合わせに決めた。
「お料理は決まりましたので、ウェディングケーキをお考えください。」
「あたし、苺が好きなので、苺を沢山使ったケーキがいいです。」
「王女の言う通りに。」
「かしこまりました。
では、こちらはいかがですか?」
タグチさんは、ケーキを魔法で見せてくれた。
「3段より、5段がいいわ。」
「かしこまりました。
では、こんな感じでございましょうか?」
タグチさんは、5段ケーキを見せてくれた。
「これがいいわ。
土台は四角いケーキにして。」
「かしこまりました。
こんな感じでいかがでしょうか?」
「これがいいわ。」
「かしこまりました。
引き出物は、いかがなさいますか?」
「絶対に入れて欲しいのが、桜のバームクーヘン。」
「かしこまりました。
それでしたら、ワンホール桜のバームクーヘンをメインに、焼き菓子をセットでお入れいたしましょう。
他のものは、こちらで選ばせていただきましょうか?」
「それがいいわ。」
「かしこまりました。
では、会場のセッティングに参りましょう。
国王様、会場に連れて行っていただけますか?」
「分かった。」
「分かったわ。」
あたし達は、炎舞様について行って、会場を見た。
会場は、とても広く驚いた。
「何名様お呼びになるご予定ですか?」
「3000人だ。」
「(国王様となれば、規模が違うわ…。)
3000名様ですね。
かしこまりました。
では、こちらの会場の飾りはいかがでしょうか?」
「薔薇より桜がいいわ。」
「かしこまりました。
では、こちらはいかがですか?」
「ステキ!!」
「では、こちらで。」
「うん。
あと、会場の入り口に桜のアーチを。」
「かしこまりました。
では、会場のお色ですが、ウェディングドレスの時はピンク、ピンクのカラードレスの時はパープル、パープルの時はホワイトにしてはいかがでしょう?」
「ステキ!!
そうして!!」
「かしこまりました。」
「桜とパステルカラーがマッチしてていいね。
マリアのセンスいいんだね。」
「そうでしょうか…。」
あたしは、照れた。
「では、3000名様の名簿をいただけますか?
招待状をお送りいたします。」
「分かった。
ショウタ!!
名簿を持ってこい!!」
「かしこまりました。」
ショウタは、すぐに名簿を持って来た。
炎舞様は、それをタグチさんに渡した。
「お借りいたします。
わたしは、準備に入らせていただきますので、国王様、王女様お気になさらず、ごゆっくりお休みください。」
「頼んだ!
マリア、シェリーに行こうよ!!」
「はい。
(あたしに対する顔と、他の人に対する顔が、全然違うんですけど…。)」
「今、ドレスしかないから、シェリーで買おう!!」
「ありがとうございます。」
「馬車乗り場に行くよ。」
「はい。」
あたし達は、忙しそうに働くタグチさんを会場に残し、馬車乗り場に行った。
「国王様、護衛にセッドをお呼び致しました。」
「ん。」
アイカに「ん。」と言っただけの炎舞様…。
「(本当に冷たいのね…。)」
そこに、セッドが来た。
「国王様、お呼びでしょうか?」
「これから、マリアとシェリーに行く。
護衛せよ。」
「はっ!!」
あたし達3人は、馬車に乗り、シェリーに向かった。
「シェリーには、すぐに着くよ。
城の真上くらいにある街だから。」
「はい。
分かりました。」
炎舞様の言う通り、すぐに着いた。



