森を抜けると、そこにはキラキラと光る、草花や木々、滝、噴水まであった。
「なんてステキなの!!」
「凄いでしょ?」
「はいっ!!」
炎舞様は、その中の桜を指差した。
「マリア。
あれが、桜だよ。」
「桜ですか?
綺麗ですね…。
(ダイヤの桜…。)
(なんて綺麗なの…。)」
「気に入った?」
「はい。」
「持って帰れるか、聞いてみてあげるよ。」
「いいんですか?!」
「うん。
いいよ。」
「ありがとうございます。」
「マリア。
これからのこと話すね。
中央の国の城に着いたら、ぼく達は別行動になる。
でも、安心して。
中央の国に住んでいる、モカが案内してくれるから。
モカは、そのー…、会えば分かるんだけど…、人ではない。
でも、中央の国ことなんでも知っているし、話せるから安心して。
選別は、モカがするからね。
選別は、痛くもないし、すぐに終わるから、大丈夫だよ。
次に、モカとソイ…ソイも人ではないんだけど…、ソイのとこに行ってもらう。
ソイも話せるから。
最後に、ラテのとこに行って、モカと離れたら、ラテの言う通りにして。
モカ、ソイ、ラテは、人じゃないけど、自分の仕事はキッチリしてくれるから、安心してね。
それから、モカ達に敬語は要らないから。
モカ達の言うこと守ったら、ぼくに会えるから。」
「分かりました。」
会話が終わると、中央の国の馬車乗り場に着いた。
そこには、炎舞様が言った通り、モカが待って居てくれた。
「モカ、調子はどう?」
「(これがモカ?!)」
あたしは驚いた。
モカと呼ばれたのは、人の言葉を話す、推定身長22㎝のピンクのクマのぬいぐるみだったから。
「よくなりました。
ご心配おかけしまして…。
大変、失礼しました…。」
「いいんだよ。」
「ありがとうございます。
話しは変わりますが、そちらのお嬢さんを、ご案内すればいいんですね?」
「そう。
名前は、マリア。
多分、選別したら、ぼくのとこだろうけど…。
一応ね。」
「かしこまりました。」
「じゃあ、マリア、後でね。」
「はい。」
「マリア様。
初めまして。
モカと申します。
お聞きだとは思いますが、まず、選別を受けて頂きます。
本来なら、皆さんと受けて頂くのですが、まりあ様だけ特別に先に受けて頂きます。」
「分かったわ。」
「では、目を閉じてください。」
あたしは、目を閉じた。
「マリア様、目を開けても大丈夫ですよ。」
「分かったわ。」
目を開けると、モカが赤、緑、茶色、少し水色にキラキラ光るステッキを持って、キラキラお目々でこっちを見ていた。
「では、マリア様。
発表します。」
「うん…。」
あたしは緊張していた。
「マリア様は、火の国、緑の国、土の国の第1王女様で、風の国の第2王女様でした。」
「え…。
そんなに被ったの?」
「はい。
ボク、何年もこの仕事してますが、ここまで被った方は初めてです。
1つの国に滞在していただける期間は、ご存じですか?」
「ええ。
炎舞様が…。」
「そうですか。
では、どの国にされますか?」
「炎舞様の国で。」
「火の国ですね?
では、こちらにどうぞ。」
あたしは、モカについて行った。
モカは、1つの部屋の前に止まった。
「こちらには、炎舞様が王女様に!と、準備されました、プレゼントが入ってございます。
好きなものをお手に取り下さい。
お手に取られたら、ボクにお渡し頂き、ボクが更衣室にご案内致します。
世界中の方々がご覧になるので、王女様らしいお姿をお選び下さい。
お選び終わるまで、ボクはここで待ってます。」
「え…。
ドレスとかのサイズは…?」
「袖を通していただけば、ピッタリのサイズになります。
アクセサリーも同じです。」
「分かったわ。」
あたしは、クローゼットに入り、灯りをつけてもらった。
そこには、綺麗なドレス、可愛い小物、綺麗なアクセサリーなんでもあった。
「これ…全部…炎舞様が…?!
すごい…。」
「そうですよ。
炎舞様は、国王様の中で、1番王女様への贈り物が多い方です。」
「そうなんだ…。」
あたしは、悩みながら、ピンクのロングドレスに、ドレスに合わせたアクセサリー、ガラスの靴のような靴、クラッチバッグを選んだ。
そして、そのままモカに渡した。
「お疲れ様でした。
更衣室にご案内致します。
こちらです。」
あたしは、モカに連れられて、更衣室に行った。
「お着替えされたものを、この箱の中にお入れ下さい。
ラット便で、お城にお送り致しますので。」
「ラット便…?」
「この世界で1番使われてる、運送会社です。
とても早くて便利なんです。」
「そうなんだ。
分かったわ。
ありがとう。」
あたしは、モカの言う通り、着替えたものを箱に詰めた。
「モカ、終わったわ。」
「分かりました。
ラット便でお城にお送りしますね。」
モカは、宛名をサラサラ書いて、箱に付けた。
すると、荷物が一瞬で消えた…。
あまりに一瞬のことで、あたしは目がぱちくり…。
「驚きましたよね。
これが、ラット便です。
次に、ソイのところに行きましょう。
ソイは、武器担当です。
お好きな武器をお選び下さい。」
「武器?!
武器なんかいるの?!
なんで?!
魔法があるでしょ?!」
「他国からの戦争や、反逆の民に使ったりします。
なので、武器は要ります。」
「なるほど…。
分かったわ。
ソイのとこに連れて行って。」
「はい。」
あたし達が、ソイのところに行くと、ソイは陽気に踊っていた。
「(ソイは、ブルーのパンダなのね…。)」
「Hey!
お嬢ちゃん、何の用だい?だぜ。」
「(お嬢ちゃん?!)
(だぜ?!)」
「ソイ!!
こちらの方は、火の国の王女様ですよ!!
敬語で話してください!!」
「へぇ〜…。
王女様ねぇ…だぜ。」
「何?
ボクの選別に文句でも?」
「いや…。
そんなことはねぇよ!だぜ。
(ピンクグマ、怒らせると怖いからな…だぜ。)
ささっ、武器武器。だぜ。」
ソイは、武器を探し始めた。
「これなんかどうだい?だぜ?」
ソイが持ってきたのは…大剣…。
「ソイ、これじゃ、重すぎて振り回せない…。」
「お…OK、OKだぜ!
(振り回す気かよ…だぜ!)」
ソイは、また、武器を探し始めた。
「ねぇ、クナイとかないの?
手裏剣とか…。
遠距離の敵を倒す武器!」
「お…OK、OK…だぜ!!」
ソイは、また、武器を探しに奥に行った。
奥に行った、ソイが持って来たのは、ミニバズーカー。
「これなら、遠距離戦に使えるぞ?だぜ。」
あたしは、バズーカを持ってみた。
「(そんなに重くない…。)
(1個目はこれね。)
1個目は、これでいいわ。」
「1個目?!だぜ。」
「そうよ!
当たり前じゃない!!
あと、短剣でしょ。
振り回りやすい剣2本。
それから、丈夫な盾。
取り敢えずこれだけかな…。」
「お…OK…だぜ。」
モカとソイは、同じことを思った。
「(この人、戦う気満々だ…!!)」
ソイは、武器を探してきた。
「この剣、振り回しやすい!!
短剣もこれで最高!!
でも、このまま戦うと持ち運びに困るわ。」
「それなら大丈夫だぜ。
Hey!
指輪カモン!だぜ。」
ソイは、指輪を出した。
「これを、右左のどちらでもいいから、小指に着けてみな。だぜ。
そして、武器がこの指輪の中に、入るとこを想像すれば、中に入るんだぜ。
もし、想像が無理なら、マリーセデスと唱えるんだ ぜ。
指輪の中に武器が入るからな。だぜ。
出す時は、出たとこを想像するか、マリーセレスと唱えな。だぜ。
武器が指輪から出るからな。だぜ。
出す呪文も、入れる呪文も似ているから、間違えんなよ?だぜ。」
「分かったわ。」
「武器選びが終わりましたので、今度は、ラテのところに行きましょう。」
「うん。」
あたし達は、ラテのところに行った。
「ラテ居る?
王女様を連れてきたよ。」
「開いてるから、入ってきて。」
「分かったよ。
王女様こちらへ。」
あたし達は、ラテの部屋に入った。
ラテは、若草色をしていて、小さい花柄の黄色いワンピースを着た、ウサギだった。
ラテは、電子機器だらけのとこで、イスに座り紅茶を飲んでいた。
「すっごい…。
電子機器だらけ…。」
「初めまして。
王女様。
わたしは、ラテ。
この部屋を見ていただくとお分かりのように、電子機器の仕事をしております。
例えば、モナフォンという、この世界共通の携帯電話。
モナパッド。
モナウォッチ。
これらを選んで頂いたり、修理させて頂くのがお仕事です。」
「なるほど…。」
「それでは、モナフォンから選んでいただきます。
このままだと、かなりの数になりますので、厳選させていただきます。
そうですね…。
王女様なので、他国にも行かれるでしょうし、世界共通のモナフォンがよろしいかと…。」
「そうね。
それがいいわ。」
「後は、王女様の好みになります。
充電の持ちがいいとか、」
「そうね…。
充電の持ちがよくて、防水で、モナフォンとモナパッドとモナウォッチが、同じシリーズにしたいわ。」
「かしこまりました。」
そう言うと、ラテは、キーボードを打ち始め、機種を厳選した。
「お待たせ致しました。
では、王女様。
他に条件ございますか?」
「条件…。」
「ええ。
今なら、種類も豊富ですよ?」
そう言うと、ラテは足をトントンとした。
すると、沢山のモナフォンが出てきた。
好みじゃないのをラテに消してもらったけど、まだまだ、置かれてる機種は多かった…。
「この中から…?
どれにしよう…。」
悩んでいると、1つの機種に目がいった。
それは、本体が季節で色が変わる、キラキラした、モナフォン…。
「流石、王女様ですね。
こちらは、王女様のご希望通りのお品で、本日発売のものになります。」
「あたし、これにするわ!!」
「かしこまりました。
このモナフォンの使い方は、お城に戻って、メイドに聞いてください。
機器は、ラット便で、お城にお送りいたします。
この箱にお入れください。」
「分かったわ。」
「では、行きましょうか。」
「……え?
行くってどこへ?」
「選別が行われる、お部屋ですよ。
そこで、世界中に王女様のお名前が紹介されます。
国王様方は、このドレスを見て、初めて王女様がどこの国をお選びになったのかが分かります。」
「炎舞様も知らないってことね?」
「そうです。」
「分かったわ。」
「では、参りましょう。」
あたしとラテは、ラテの部屋を出た。
「着きました。
ここが、選別をしている部屋です。
国王様方の自己紹介が始まりました。
国王様方の自己紹介の後、王女様のお名前を光成様が、お呼びいたします。」
「光成様?」
「光の国の国王様で、国王様をまとめていらっしゃる方です。
あの黄色い髪の国王様です。」
「あの人ね。
分かったわ。」
「国王様の自己紹介が終わりました。
光成様に呼ばれたら、お入り下さい。」
「分かったわ。」
あたしは、自分の名前が呼ばれ、選別の部屋に入った。
会場にいた全員が拍手で迎えてくれた。
あたしは、会場にいた、選別を受ける人々に向かって、お辞儀をした。
「初めまして。
火の国の王女のマリアです。
よろしくお願います。」
あたしの姿を見た、炎舞様は大喜び。
「(ぼくの花嫁さんだ…。)
(すごく可愛い…。)」
「おめでとう、炎舞。」
「ありがとう、光成。」
会場中から、お祝いの言葉が、飛び交った。
「皆、ありがとう!」
あたしも、炎舞様のように、ありがとうございます!を言った。
あたしの席は、炎舞様の隣りに作られた。
「王女様、こちらにお座り下さい。」
「ありがとう、ラテ。」
あたしは、炎舞様の隣りに座った。
そして、モカが選別を始めた。
「では、選別を行います。
まずは、本日、迷いの森から救出された男性達から。
こちらの、うさぎのラテの前に並んでください。」
男性達は、次々とモカにより、選別されていった。
男性の選別が終わり、次は、女性の番になった時、いきなり、お城の窓ガラスが割れ、狐くらいの大きさの動物が入ってきた。
それが何かを知ってる人々は、テーブルの下に隠れた。
あたしは、その何かを両手を広げ、迎え入れようとした。
「マリア!!
ダメだ!!
それは、リトと言って、慣れないものにとっては、危険なモンスターだ!!」
炎舞様のその言葉が、耳に入る前に、あたしは、リトを迎え入れた。
「大丈夫?
怪我してない?」
リトは、あたしの身体を一周すると、あたしの肩に乗って、羽になっていた耳を猫耳に変え、毛繕いを始めた。
その様子を見た、国王達は、自分の目を疑った。
「あのリトが、大人しい…。
おい、炎舞!
お前の嫁さん、どうなってるんだよ!!
俺に教えろ!!」
大声でそう言ったのは、竜座様。
「ぼくにも分からない!!」
「炎舞、お前の王女は、魔力が強いのか?」
「多分…。
強いと思う。
スリーヴァー6個繋げたりしたし…。」
「スリーヴァーを6個も繋げた?!
なるほど…。
かなり、強いと言うわけだ…。」
あたしの肩で、寛ぐリトを見て、あの6人が騒ぎ出した。
「あんなに大人しいってことは、人に飼われてるリトだわ。
マナに抱っこさせて!!」
「マナ、ずるいわよ!
リナに抱っこさせて!!」
「いや!!
ナオミにさせて!!」
「ミキにさせて!!」
「ユウカにさせて!」
「チサにさせて!!」
いきなり6人が近づいて来て、リトは威嚇(いかく)した。
その様子を見て、光成様は、あたし近付いて来た。
光成様は、あたしに言った。
「お前…マリアと言ったな?」
「はい。」
あたしに近づいた光成様に、リトは威嚇を止めた。
「間違いなく、野生のリトだな…。
マリアが、発見者1号だ。
マリア、リトになんと名前をつける?
因みに、このリトは、赤色だからオスだ。
メスなら青色だからな。」
「(え…名前…。)
(どうしよう…。)
(リトなら、リトって名前に入れたいし…。)
(り…り…り…リトラ!!)
…リトラにします。」
「リトラだな。
分かった。」
光成様は、モナウォッチをこちらに向け、緑の光線をリトラに当てた。
「リトラのことは、登録しておいた。
後で、モナフォンを確認すればいい。
では、選別を再開する。
マリアは、席に戻れ。」
「はい。」
あたしは、大人しく、リトラと席に戻った。
その後は、何事もなく、無事、選別が終わった。
選別の結果、光の国と風の国の第1王女がユカ、水の国の第1王女がミカ、闇の国の第1王女がヤエ、氷の国の第1王女がヒロ。
ユカは、光成様の国に行くことにした。
全員が、武器と通信機器をもらった。
「民の皆さん。
親御さんをお呼びになり、お帰り下さい。
国王様方、王女様方。
ご昼食のご準備が出来ておりますので、食堂にお越し下さい。」
あたし達は、モカの言う通り、食堂に行った。
「まさか、ここでお食事が出来るとは思いませんでした。」
「選別時は、毎回食べて帰るんだよ。」
「そうなんですね。」
「うん。
モカの料理は美味しいから、期待してて。」
「はい。」
モカの手料理は、フルコースだった。
「前菜です。」
出されたのは、カブのテリーヌ。
「(カブのテリーヌ、初めてだわ。)」
あたしは、ひと口食べてみた。
すると、カブの甘みが口いっぱいに広がった。
「(すごーい!)
(カブって、こんなに甘いんだ…。)
(美味しい…!)」
モカは、絶妙なタイミングで、次の料理を持って来てくれた。
「コーンスープになります。」
コーンスープは、程よい温かさで、火傷することなくいただけた。
「パンになります。
本日のおすすめパンは、ブルーベリーパンになります。
スープにつけて食べていただくと、より一層、美味しくいただけます。」
あたしは、モカの言った通りにパンにスープをつけて食べてみた。
「(美味しい…!)」
次々に運ばれて来る料理、全てが美味しかった。
「モカ、ありがとう。
どれも、とても美味しかったわ。
ご馳走様。」
「いえいえ。
喜んで頂けて良かったです。」
帰る準備をしていると、炎舞様が叫んだ。
「あっ、忘れてた!!
モカ、桜をもらって帰っていい?」
「構いませんよ。」
「ありがとう。」
「取って参りましょうか?」
「頼む。」
「分かりました。
お待ちください。」
モカは、桜を1束持って来てくれた。
「ありがとう、モカ。
ありがとうございます。
炎舞様。」
「いえいえ。」
「いいよ。
モカ。
ありがとう。」
「いえいえ。」
あたし達は、モカに挨拶して、ドラゴン乗り場に行った。
「じゃあ、ドラゴンに乗って帰ろ。」
「はい。」
そこに、慌てた様子のモカが来た。
「み…みなさん、お…お待ちください!!」
「どうしたの?
モカ。
あたし達、帰るとこなんだけど…。」
「火の国の国王様と王女様は、このまま帰っていただいて構いません!
その他の方々は、王女様を隠しながら、王女様を乗せる必要がございます。
でなければ、ドラゴンが暴れるでしょう。
ドラゴンが暴れれば、一大事です。」
「そうだな。
そうしよう。
ユカ、ここに隠れていてくれ。
すぐドラゴンを呼ぶから。」
「はい。」
ユカに続いて、みんなが隠れた。
光成様は、上手いことドラゴンを召喚し、ユカと帰った。
その様子を見た、他のみんなも同じ手で帰った。
「じゃあ、ぼく達の番になったから帰ろうか。」
「はい。」
「モカ、また明後日。」
「モカ、またね。」
「はい。
お気を付けて。」
「マリア。
リトラ、飛ばされないようにね。」
「はい。」
「飛ぶよ。」
「はい。」
あたし達は、ドラゴンに乗って、中央の国のお城を出た。
「なんてステキなの!!」
「凄いでしょ?」
「はいっ!!」
炎舞様は、その中の桜を指差した。
「マリア。
あれが、桜だよ。」
「桜ですか?
綺麗ですね…。
(ダイヤの桜…。)
(なんて綺麗なの…。)」
「気に入った?」
「はい。」
「持って帰れるか、聞いてみてあげるよ。」
「いいんですか?!」
「うん。
いいよ。」
「ありがとうございます。」
「マリア。
これからのこと話すね。
中央の国の城に着いたら、ぼく達は別行動になる。
でも、安心して。
中央の国に住んでいる、モカが案内してくれるから。
モカは、そのー…、会えば分かるんだけど…、人ではない。
でも、中央の国ことなんでも知っているし、話せるから安心して。
選別は、モカがするからね。
選別は、痛くもないし、すぐに終わるから、大丈夫だよ。
次に、モカとソイ…ソイも人ではないんだけど…、ソイのとこに行ってもらう。
ソイも話せるから。
最後に、ラテのとこに行って、モカと離れたら、ラテの言う通りにして。
モカ、ソイ、ラテは、人じゃないけど、自分の仕事はキッチリしてくれるから、安心してね。
それから、モカ達に敬語は要らないから。
モカ達の言うこと守ったら、ぼくに会えるから。」
「分かりました。」
会話が終わると、中央の国の馬車乗り場に着いた。
そこには、炎舞様が言った通り、モカが待って居てくれた。
「モカ、調子はどう?」
「(これがモカ?!)」
あたしは驚いた。
モカと呼ばれたのは、人の言葉を話す、推定身長22㎝のピンクのクマのぬいぐるみだったから。
「よくなりました。
ご心配おかけしまして…。
大変、失礼しました…。」
「いいんだよ。」
「ありがとうございます。
話しは変わりますが、そちらのお嬢さんを、ご案内すればいいんですね?」
「そう。
名前は、マリア。
多分、選別したら、ぼくのとこだろうけど…。
一応ね。」
「かしこまりました。」
「じゃあ、マリア、後でね。」
「はい。」
「マリア様。
初めまして。
モカと申します。
お聞きだとは思いますが、まず、選別を受けて頂きます。
本来なら、皆さんと受けて頂くのですが、まりあ様だけ特別に先に受けて頂きます。」
「分かったわ。」
「では、目を閉じてください。」
あたしは、目を閉じた。
「マリア様、目を開けても大丈夫ですよ。」
「分かったわ。」
目を開けると、モカが赤、緑、茶色、少し水色にキラキラ光るステッキを持って、キラキラお目々でこっちを見ていた。
「では、マリア様。
発表します。」
「うん…。」
あたしは緊張していた。
「マリア様は、火の国、緑の国、土の国の第1王女様で、風の国の第2王女様でした。」
「え…。
そんなに被ったの?」
「はい。
ボク、何年もこの仕事してますが、ここまで被った方は初めてです。
1つの国に滞在していただける期間は、ご存じですか?」
「ええ。
炎舞様が…。」
「そうですか。
では、どの国にされますか?」
「炎舞様の国で。」
「火の国ですね?
では、こちらにどうぞ。」
あたしは、モカについて行った。
モカは、1つの部屋の前に止まった。
「こちらには、炎舞様が王女様に!と、準備されました、プレゼントが入ってございます。
好きなものをお手に取り下さい。
お手に取られたら、ボクにお渡し頂き、ボクが更衣室にご案内致します。
世界中の方々がご覧になるので、王女様らしいお姿をお選び下さい。
お選び終わるまで、ボクはここで待ってます。」
「え…。
ドレスとかのサイズは…?」
「袖を通していただけば、ピッタリのサイズになります。
アクセサリーも同じです。」
「分かったわ。」
あたしは、クローゼットに入り、灯りをつけてもらった。
そこには、綺麗なドレス、可愛い小物、綺麗なアクセサリーなんでもあった。
「これ…全部…炎舞様が…?!
すごい…。」
「そうですよ。
炎舞様は、国王様の中で、1番王女様への贈り物が多い方です。」
「そうなんだ…。」
あたしは、悩みながら、ピンクのロングドレスに、ドレスに合わせたアクセサリー、ガラスの靴のような靴、クラッチバッグを選んだ。
そして、そのままモカに渡した。
「お疲れ様でした。
更衣室にご案内致します。
こちらです。」
あたしは、モカに連れられて、更衣室に行った。
「お着替えされたものを、この箱の中にお入れ下さい。
ラット便で、お城にお送り致しますので。」
「ラット便…?」
「この世界で1番使われてる、運送会社です。
とても早くて便利なんです。」
「そうなんだ。
分かったわ。
ありがとう。」
あたしは、モカの言う通り、着替えたものを箱に詰めた。
「モカ、終わったわ。」
「分かりました。
ラット便でお城にお送りしますね。」
モカは、宛名をサラサラ書いて、箱に付けた。
すると、荷物が一瞬で消えた…。
あまりに一瞬のことで、あたしは目がぱちくり…。
「驚きましたよね。
これが、ラット便です。
次に、ソイのところに行きましょう。
ソイは、武器担当です。
お好きな武器をお選び下さい。」
「武器?!
武器なんかいるの?!
なんで?!
魔法があるでしょ?!」
「他国からの戦争や、反逆の民に使ったりします。
なので、武器は要ります。」
「なるほど…。
分かったわ。
ソイのとこに連れて行って。」
「はい。」
あたし達が、ソイのところに行くと、ソイは陽気に踊っていた。
「(ソイは、ブルーのパンダなのね…。)」
「Hey!
お嬢ちゃん、何の用だい?だぜ。」
「(お嬢ちゃん?!)
(だぜ?!)」
「ソイ!!
こちらの方は、火の国の王女様ですよ!!
敬語で話してください!!」
「へぇ〜…。
王女様ねぇ…だぜ。」
「何?
ボクの選別に文句でも?」
「いや…。
そんなことはねぇよ!だぜ。
(ピンクグマ、怒らせると怖いからな…だぜ。)
ささっ、武器武器。だぜ。」
ソイは、武器を探し始めた。
「これなんかどうだい?だぜ?」
ソイが持ってきたのは…大剣…。
「ソイ、これじゃ、重すぎて振り回せない…。」
「お…OK、OKだぜ!
(振り回す気かよ…だぜ!)」
ソイは、また、武器を探し始めた。
「ねぇ、クナイとかないの?
手裏剣とか…。
遠距離の敵を倒す武器!」
「お…OK、OK…だぜ!!」
ソイは、また、武器を探しに奥に行った。
奥に行った、ソイが持って来たのは、ミニバズーカー。
「これなら、遠距離戦に使えるぞ?だぜ。」
あたしは、バズーカを持ってみた。
「(そんなに重くない…。)
(1個目はこれね。)
1個目は、これでいいわ。」
「1個目?!だぜ。」
「そうよ!
当たり前じゃない!!
あと、短剣でしょ。
振り回りやすい剣2本。
それから、丈夫な盾。
取り敢えずこれだけかな…。」
「お…OK…だぜ。」
モカとソイは、同じことを思った。
「(この人、戦う気満々だ…!!)」
ソイは、武器を探してきた。
「この剣、振り回しやすい!!
短剣もこれで最高!!
でも、このまま戦うと持ち運びに困るわ。」
「それなら大丈夫だぜ。
Hey!
指輪カモン!だぜ。」
ソイは、指輪を出した。
「これを、右左のどちらでもいいから、小指に着けてみな。だぜ。
そして、武器がこの指輪の中に、入るとこを想像すれば、中に入るんだぜ。
もし、想像が無理なら、マリーセデスと唱えるんだ ぜ。
指輪の中に武器が入るからな。だぜ。
出す時は、出たとこを想像するか、マリーセレスと唱えな。だぜ。
武器が指輪から出るからな。だぜ。
出す呪文も、入れる呪文も似ているから、間違えんなよ?だぜ。」
「分かったわ。」
「武器選びが終わりましたので、今度は、ラテのところに行きましょう。」
「うん。」
あたし達は、ラテのところに行った。
「ラテ居る?
王女様を連れてきたよ。」
「開いてるから、入ってきて。」
「分かったよ。
王女様こちらへ。」
あたし達は、ラテの部屋に入った。
ラテは、若草色をしていて、小さい花柄の黄色いワンピースを着た、ウサギだった。
ラテは、電子機器だらけのとこで、イスに座り紅茶を飲んでいた。
「すっごい…。
電子機器だらけ…。」
「初めまして。
王女様。
わたしは、ラテ。
この部屋を見ていただくとお分かりのように、電子機器の仕事をしております。
例えば、モナフォンという、この世界共通の携帯電話。
モナパッド。
モナウォッチ。
これらを選んで頂いたり、修理させて頂くのがお仕事です。」
「なるほど…。」
「それでは、モナフォンから選んでいただきます。
このままだと、かなりの数になりますので、厳選させていただきます。
そうですね…。
王女様なので、他国にも行かれるでしょうし、世界共通のモナフォンがよろしいかと…。」
「そうね。
それがいいわ。」
「後は、王女様の好みになります。
充電の持ちがいいとか、」
「そうね…。
充電の持ちがよくて、防水で、モナフォンとモナパッドとモナウォッチが、同じシリーズにしたいわ。」
「かしこまりました。」
そう言うと、ラテは、キーボードを打ち始め、機種を厳選した。
「お待たせ致しました。
では、王女様。
他に条件ございますか?」
「条件…。」
「ええ。
今なら、種類も豊富ですよ?」
そう言うと、ラテは足をトントンとした。
すると、沢山のモナフォンが出てきた。
好みじゃないのをラテに消してもらったけど、まだまだ、置かれてる機種は多かった…。
「この中から…?
どれにしよう…。」
悩んでいると、1つの機種に目がいった。
それは、本体が季節で色が変わる、キラキラした、モナフォン…。
「流石、王女様ですね。
こちらは、王女様のご希望通りのお品で、本日発売のものになります。」
「あたし、これにするわ!!」
「かしこまりました。
このモナフォンの使い方は、お城に戻って、メイドに聞いてください。
機器は、ラット便で、お城にお送りいたします。
この箱にお入れください。」
「分かったわ。」
「では、行きましょうか。」
「……え?
行くってどこへ?」
「選別が行われる、お部屋ですよ。
そこで、世界中に王女様のお名前が紹介されます。
国王様方は、このドレスを見て、初めて王女様がどこの国をお選びになったのかが分かります。」
「炎舞様も知らないってことね?」
「そうです。」
「分かったわ。」
「では、参りましょう。」
あたしとラテは、ラテの部屋を出た。
「着きました。
ここが、選別をしている部屋です。
国王様方の自己紹介が始まりました。
国王様方の自己紹介の後、王女様のお名前を光成様が、お呼びいたします。」
「光成様?」
「光の国の国王様で、国王様をまとめていらっしゃる方です。
あの黄色い髪の国王様です。」
「あの人ね。
分かったわ。」
「国王様の自己紹介が終わりました。
光成様に呼ばれたら、お入り下さい。」
「分かったわ。」
あたしは、自分の名前が呼ばれ、選別の部屋に入った。
会場にいた全員が拍手で迎えてくれた。
あたしは、会場にいた、選別を受ける人々に向かって、お辞儀をした。
「初めまして。
火の国の王女のマリアです。
よろしくお願います。」
あたしの姿を見た、炎舞様は大喜び。
「(ぼくの花嫁さんだ…。)
(すごく可愛い…。)」
「おめでとう、炎舞。」
「ありがとう、光成。」
会場中から、お祝いの言葉が、飛び交った。
「皆、ありがとう!」
あたしも、炎舞様のように、ありがとうございます!を言った。
あたしの席は、炎舞様の隣りに作られた。
「王女様、こちらにお座り下さい。」
「ありがとう、ラテ。」
あたしは、炎舞様の隣りに座った。
そして、モカが選別を始めた。
「では、選別を行います。
まずは、本日、迷いの森から救出された男性達から。
こちらの、うさぎのラテの前に並んでください。」
男性達は、次々とモカにより、選別されていった。
男性の選別が終わり、次は、女性の番になった時、いきなり、お城の窓ガラスが割れ、狐くらいの大きさの動物が入ってきた。
それが何かを知ってる人々は、テーブルの下に隠れた。
あたしは、その何かを両手を広げ、迎え入れようとした。
「マリア!!
ダメだ!!
それは、リトと言って、慣れないものにとっては、危険なモンスターだ!!」
炎舞様のその言葉が、耳に入る前に、あたしは、リトを迎え入れた。
「大丈夫?
怪我してない?」
リトは、あたしの身体を一周すると、あたしの肩に乗って、羽になっていた耳を猫耳に変え、毛繕いを始めた。
その様子を見た、国王達は、自分の目を疑った。
「あのリトが、大人しい…。
おい、炎舞!
お前の嫁さん、どうなってるんだよ!!
俺に教えろ!!」
大声でそう言ったのは、竜座様。
「ぼくにも分からない!!」
「炎舞、お前の王女は、魔力が強いのか?」
「多分…。
強いと思う。
スリーヴァー6個繋げたりしたし…。」
「スリーヴァーを6個も繋げた?!
なるほど…。
かなり、強いと言うわけだ…。」
あたしの肩で、寛ぐリトを見て、あの6人が騒ぎ出した。
「あんなに大人しいってことは、人に飼われてるリトだわ。
マナに抱っこさせて!!」
「マナ、ずるいわよ!
リナに抱っこさせて!!」
「いや!!
ナオミにさせて!!」
「ミキにさせて!!」
「ユウカにさせて!」
「チサにさせて!!」
いきなり6人が近づいて来て、リトは威嚇(いかく)した。
その様子を見て、光成様は、あたし近付いて来た。
光成様は、あたしに言った。
「お前…マリアと言ったな?」
「はい。」
あたしに近づいた光成様に、リトは威嚇を止めた。
「間違いなく、野生のリトだな…。
マリアが、発見者1号だ。
マリア、リトになんと名前をつける?
因みに、このリトは、赤色だからオスだ。
メスなら青色だからな。」
「(え…名前…。)
(どうしよう…。)
(リトなら、リトって名前に入れたいし…。)
(り…り…り…リトラ!!)
…リトラにします。」
「リトラだな。
分かった。」
光成様は、モナウォッチをこちらに向け、緑の光線をリトラに当てた。
「リトラのことは、登録しておいた。
後で、モナフォンを確認すればいい。
では、選別を再開する。
マリアは、席に戻れ。」
「はい。」
あたしは、大人しく、リトラと席に戻った。
その後は、何事もなく、無事、選別が終わった。
選別の結果、光の国と風の国の第1王女がユカ、水の国の第1王女がミカ、闇の国の第1王女がヤエ、氷の国の第1王女がヒロ。
ユカは、光成様の国に行くことにした。
全員が、武器と通信機器をもらった。
「民の皆さん。
親御さんをお呼びになり、お帰り下さい。
国王様方、王女様方。
ご昼食のご準備が出来ておりますので、食堂にお越し下さい。」
あたし達は、モカの言う通り、食堂に行った。
「まさか、ここでお食事が出来るとは思いませんでした。」
「選別時は、毎回食べて帰るんだよ。」
「そうなんですね。」
「うん。
モカの料理は美味しいから、期待してて。」
「はい。」
モカの手料理は、フルコースだった。
「前菜です。」
出されたのは、カブのテリーヌ。
「(カブのテリーヌ、初めてだわ。)」
あたしは、ひと口食べてみた。
すると、カブの甘みが口いっぱいに広がった。
「(すごーい!)
(カブって、こんなに甘いんだ…。)
(美味しい…!)」
モカは、絶妙なタイミングで、次の料理を持って来てくれた。
「コーンスープになります。」
コーンスープは、程よい温かさで、火傷することなくいただけた。
「パンになります。
本日のおすすめパンは、ブルーベリーパンになります。
スープにつけて食べていただくと、より一層、美味しくいただけます。」
あたしは、モカの言った通りにパンにスープをつけて食べてみた。
「(美味しい…!)」
次々に運ばれて来る料理、全てが美味しかった。
「モカ、ありがとう。
どれも、とても美味しかったわ。
ご馳走様。」
「いえいえ。
喜んで頂けて良かったです。」
帰る準備をしていると、炎舞様が叫んだ。
「あっ、忘れてた!!
モカ、桜をもらって帰っていい?」
「構いませんよ。」
「ありがとう。」
「取って参りましょうか?」
「頼む。」
「分かりました。
お待ちください。」
モカは、桜を1束持って来てくれた。
「ありがとう、モカ。
ありがとうございます。
炎舞様。」
「いえいえ。」
「いいよ。
モカ。
ありがとう。」
「いえいえ。」
あたし達は、モカに挨拶して、ドラゴン乗り場に行った。
「じゃあ、ドラゴンに乗って帰ろ。」
「はい。」
そこに、慌てた様子のモカが来た。
「み…みなさん、お…お待ちください!!」
「どうしたの?
モカ。
あたし達、帰るとこなんだけど…。」
「火の国の国王様と王女様は、このまま帰っていただいて構いません!
その他の方々は、王女様を隠しながら、王女様を乗せる必要がございます。
でなければ、ドラゴンが暴れるでしょう。
ドラゴンが暴れれば、一大事です。」
「そうだな。
そうしよう。
ユカ、ここに隠れていてくれ。
すぐドラゴンを呼ぶから。」
「はい。」
ユカに続いて、みんなが隠れた。
光成様は、上手いことドラゴンを召喚し、ユカと帰った。
その様子を見た、他のみんなも同じ手で帰った。
「じゃあ、ぼく達の番になったから帰ろうか。」
「はい。」
「モカ、また明後日。」
「モカ、またね。」
「はい。
お気を付けて。」
「マリア。
リトラ、飛ばされないようにね。」
「はい。」
「飛ぶよ。」
「はい。」
あたし達は、ドラゴンに乗って、中央の国のお城を出た。



