冷酷王子は、異世界から来た少女を溺愛する

 火の日。
 「おはようございます。」
 アイルとアイカが起こしにきた。
 「おはよう…。
アイル、アイカ…。」
「王女様、お着替えの方を…。」
「分かったわ。」
 あたしは、アイカとクローゼットに行った。
 「王女様、本日は、光の国の光成様とユカ様のご結婚式でございます。」
「え?
そうなの?!」
「はい。
ですので、朝食の後、国王様とドレスを買いに行く予定になっております。」
「分かったわ。
じゃあ、着替えやすいものにしましょ。」
「はい。」
「今日もワンピースで。」
「はい。
こちらの、さくらうさぎのワンピースはいかがでしょう?」
「可愛い!」
「半袖なので、これ1着で充分かと…。」
「そうね。
そうするわ。」
 自室に戻ると、炎舞様も自室に戻っていた。
 少しすると、炎舞様が来た。
 「マリア!
朝ごはん食べに行こう!」
「はい。」
 炎舞様とあたしは、アイルとアイカとショウタを連れて、食堂に行った。
 今日の朝食は、サンドイッチだった。
 朝食を食べ終えると、炎舞様が、馬車乗り場で待ってて。と言った。
 待っていると、すぐに炎舞様が来た。
 「今日、光成の結婚式だから、ドレス買いに行くよ?」
「はい。」
「セッド!」
「はっ!」
「シェリーまで!」
「かしこまりました。」
 あたし達は、シェリーに向かった。
 「ドレスと言ったら。ここ。」
「スウィートパル…?」
「そう。
ここなら、マリアが気に入るドレスがあると思うよ。
入ってみよ。」
「はい。」
 中に入ると、色んなドレスが、所狭しと並べられていた。
 「すごーい…。
ドレスだらけ…。」
「好きなのを選んで。
いくつでもいいよ。」
「分かりました。」
 あたしは、沢山ある中から、イブニングドレスを選んだ。
 「これとこれと…。」
 あたしが選んでいたら、炎舞様が、全部買う?と聞いてきた。
 あたしはビックリして、そんなにいるでしょうか?と聞いた。
 「結婚式が、今日の入れて、あと4回はあるし、貴族との交流会もあるし…。」
「でも、全部は多すぎませんか?」
「じゃあ、この中から30着は決めて。」
「30着ですか?!」
「うん。
それくらい必要だから。」
「分かりました。」
 あたしは、30着決めて買ってもらった。
 「光成のとこは、貧富の差が酷いから、観光なんてできないだろうし、ギリギリに行く?」
「ユカと話したいので、ギリギリは…。」
「じゃあ、早めに行こうか。」
「はい。」
「光成のとこまで、キャロルで行くよ。」
「はい。」
「昼ご飯食べたら、出かけよう。」
「はい。」
 昼食をお城で食べて、光の国に向かった。
 「貧困生活者のとこは、高く飛ぶよ?」
「はい。」
 光の国のお城の近くで、低く飛んでお城に入った。
 「やっぱり、ここまで来ると、お祝いムードだね。
大勢の人が来てる。」
「そうですね。」
 お城の中のドラゴン降り場で、キャロルから降りた。
 キャロルには、光の国のお城の人がオヤツをくれた。
  あたし達は、それぞれ、光成様とユカのとこに案内された。
 ユカの控室に入ろうとしたら、ユカと光成様の口論の声が聞こえた。
 「ユカ、入るよ?」
「マリア様…。
聞いてください!」
「ユカ…。
落ち着いて。
何があったの?」
「このドレスです!」
「ドレス…?
ユカにしては、珍しいデザインのドレスだけど…。」
「これ、わたしが選んだんじゃないんです。
光成様が、お城にあったものを持ってきたんです。」
「あー…。
それで、ユカにしては珍しいデザインなのね。」
「そうなんです。
わたし、こっちの方が良くて…。
光成様に言ったら、高い!と言われて…。
高いなら、火の国でドレスを買って欲しい!ってお願いしたんですけど、それもダメで…。
最後には、わがまま言うなら、式を取りやめるなんて言われて…。」
「式を取りやめる?
それは酷いわね。
光成様、時間はあります。
火の国で、ユカの気にいるドレスを買ってあげてください。」
「ダメだ!
贅沢になる。」
「火の国のドレスは安いですから。」
「ダメだ!」
「相変わらず、頭カチコチだね。
いいじゃん。
ドレスくらい。
買ってやれよ。」
「炎舞様!」
「マリア。
大丈夫?」
「はい。」
「光成。
マリアの言うとおり、火の国で買ってやればいいだろ!
安いんだから!」
「買うことが、贅沢なんだ!」
「なんでだよ!」
「そうですよ!」
 炎舞様とユカが光成様と口論しているのを見て、あたしが静かに口を開いた。
 「もういいです!
炎舞様、ケアサミン作ってお金を作ります。
だから、ユカのドレスを買わせてください。」
「マリア…。
いいよ。
ぼくが、お祝いとして買うから。
マリアがしなくていい。」
「炎舞様…。」
「ユカだっけ?
火の国に行こう。
ウェディングドレス買ってあげる。
マリアの友達だし。」
「炎舞!
勝手な事するな!」
「じゃあ、光成が買ってやればいいだろ?!
出来ないから、お祝いとして買ってやるって言ってんの!!」
「ユカ、行こう。
炎舞様が買ってくださるから。」
「でも…。」
「気に入ったドレスでしたいでしょ?」
「はい。」
「じゃあ、行こう。」
「はい。」
「炎舞様、お願いします。」
「分かった。
ユカ、ぼくのドラゴンに乗せていくよ。
マリアは、アメル呼んで。」
「分かりました。
ユカ、行こう。」
「はい。」
「…分かった!!
買ってやろう!!
この私が!!
炎舞の国に行くぞ!」
「初めからそう言えばいいのに…。」
「うるさいぞ、炎舞!」
 光成様とユカは、火の国に行った。
 ユカは、満面の笑みで帰ってきた。
 ユカが選んだウェディングドレスは、ユカが選びそうなデザインだった。
 「ユカ、会場見せて。」
「いいですよ。
こちらです。」
 あたしは、ユカについて行った。
 会場を見て、暗いと思ったので、ウェディングプランナーさんと話して、変えることにした。
 ユカは大喜び。
 「マリア様、ありがとうございます。」
「いいのよ。」
 そこに、ヒロ達が来た。
 「ユカ、ドレスいいじゃん。
ユカに似合ってる。」
「ホントですか?
マリア様と炎舞様のおかげで、買ってもらえたんです。」
「そうなの?
ユカちゃんに似合ってていいよ。」
「ありがとうございます。」
「ユカさん、素敵ですわ。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ、あたし達は、式場に行くわ。」
「分かりました。」
 ユカと別れて、式場に入った。
 「綺麗な式場ですわね。」
「ホントだわ。
ユカちゃん、素敵な式あげれそうで、羨ましいわ。」
「ミカは李衣様に頼めばしてくれるでしょ。
ワタシもこんな式あげたいけど、冷樹様が許してくれるか…。」
「みんな、頼んでみたらいいじゃん。
意外とOK出るかもよ?」
「そうしてみるわ。
そろそろ、ユカちゃんの登場ね。」
 ユカの式は、滞りなく進み、披露宴になった。
 光成様とユカが、会場に入ると、光成様は照明が変わっていることに驚いていた。
 お料理は、わっち食の豪華な懐石料理だった。
 お色直しに新婦が立ち上がり、一緒に退場する人に、あたしが選ばれた。
 ユカのお色直しのドレスは、ブルーのAラインドレスだった。
 歓談の時間にユカのとこに行った。
 「ユカ、お色直しのドレスも買ってもらえたんだ?」
「はい。
光成様が、要るだろう。とおっしゃってくれて…。」
「よかったじゃん!
それに、そのドレスも似合ってるよ。」
「ありがとうございます。」
「貴族達と話した?」
「まだです。
多分これからかと…。」
 そう言っているとこから、貴族達がユカに話しかけてきた。
 お邪魔になりそうだったので、あたし達は退散して、自分の席に戻った。
 自分の席に戻ったあたし達は、楽しく話をしていた。
 「会場も素敵ですわね。」
「会場の照明を、ちょっと明るくしたの。」
「マリアさんがしたんですの?」
「うん。
ちょっとだけね。」
「そうだったんですのね。
良い会場に仕上がってますわ。
流石ですわ。」
「ありがとう。」
 そこに、炎舞様が戻ってきた。
 「マリアが、この会場明るくしたの?」
「はい。
少しだけですけど…。」
「そうなんだ。
光成が驚いていたよ。
明るくなってる!って。」
「そうなんですか?」
「うん。
ぼくの奥さんは、なんでもしちゃうんだから…。」
「ダメでした?」
「ううん。
良いんだよ。
光成も喜んでたし。」
「良かったです。
最高の式だと思ってくれれば…。」
「最高の式だよ。
新婦は自分の好きなドレス着れたんだし、会場も明るくなってるし、良いことだらけじゃん。」
「ありがとうございます。」
 披露宴も終わり、お見送りの時がきた。
 「炎舞様、マリア様、ありがとうございました。」
「ユカ、素敵よ。
幸せになってね。」
「はい。」
 ユカは、1人ずつに挨拶して、見送りをしていた。
 引き出物を持って、あたしと炎舞様は、キャロルに乗ってお城に帰った。
 帰って、引き出物を開けると、鯛が1匹入っていた。
 「これって、鯛だよね?」
「はい。
おめでたいので、入れてあるんだと思いますよ。」
「めでたかったら、鯛を入れるの?」
「はい。
あたし達の世界では、そう言うのがあるんです。
ほら、めでたい。に鯛が入ってるじゃないですか。
だから、入れたんだと思いますよ。」
「なるほど!
でも、ぼく達の時には、鯛入れなかったよ?」
「あたし達の時には、鯛でなく、鰹節入れておきました。」
「鰹節?!
それもめでたいの?」
「そうですよ。
あとは、ご存知の通りのものをお入れしました。」
「なるほど。
勉強になる。
鯛、いつ食べるの?」
「今日中なら大丈夫だと思いますよ。」
「じゃあ、今から食べよう。」
「分かりました。
アイル、食堂の調理場に、鯛を持って行って、骨取りしてもらって。」
「かしこまりました。」
「マリア、赤いご飯も入ってる!!」
「それも、おめでたいからです。
アイル、赤飯も持って行って。
ごま塩があったら、準備しておいて。」
「かしこまりました。」
 食堂に行くと、鯛と赤飯が準備されていた。
 あたしと炎舞様は、鯛と赤飯を食べながら、歓談していた。
 明日は、魔法の練習して、そのあと、中央の国で会議だからね。」
「はい。」
「明日の会議は、長引くかも…。」
「そうなんですか?」
「うん。
退屈凌ぎに、お茶会でもしてて。
お菓子とか、準備してくれるから。」
「分かりました。
次からは、自分で作ったお菓子持っていきますね。」
「お菓子作れるの?!」
「作れますよ。」
「今度、ブラックチェリーパイ作ってよ。」
「いいですよ。」
「やったー!!
楽しみにしておくね。」
「はい。」
「材料は、買いに行けばいいし、作るのも、食堂のキッチン使えばいいし、楽しみだなぁ…。」
「ふふふ。
頑張って作りますね。」
「うん。」
「このお赤飯美味しい…。」
「お赤飯?」
「この赤いご飯です。」
「お赤飯って言うの?」
「はい。
赤飯とも言います。」
「へぇー…。
赤飯か…。
美味しいね。
これ、食堂でも作れるかな?」
「わっち料理が得意な人なら…。」
「そうなんだ。
普通に食べたいくらい美味しい。
鯛も骨なくて食べやすいし。」
「鯛の骨は取ってもらったんです。
骨があると食べにくいですし、喉に刺さったら大変なので…。」
「なるほど…。」
 この後も、色んな話をした。
 炎舞様と話していたら、ミカから電話が鳴った。
 「炎舞様、水の国の王女から電話が…。」
「すぐに出なよ。」
「はい。」
 あたしは、電話に出た。
 「もしもし、ミカ?
どうしたの?」
「あ、マリアちゃん?
今いい?」
「うん。」
「実は…ユカちゃんが…。」
「ユカがどうかしたの?」
「私たちのこと様付けで呼んでたでしょ?
それに敬語だったでしょ?
それが、ヒロちゃんが言うには、様付けじゃないし、敬語じゃないって…。」
「え?」
「私も驚いてるんだけど、さん付けで敬語がないんだって。」
「そうなの?」
「うん。
ヤエちゃんが言うには、王女になって、気が大きくなったんじゃないか。って…。
ワガママも酷くなってるみたいで、光成様が頭抱えてるらしくて…。」
「そうなんだ…。
ワガママは困るね…。」
「そうなの!
なんでも、光成様に、火の国で服を買ってください!って言ってるらしいわ。」
「なるほど…。」
「マリアちゃんの国、服安いから…。」
「安くても、ちりつもよ?
それ、分かってるのかな?」
「多分、分かってない。」
「うーん…。
明日、話してみるわ。」
「そうね。
それがいいかも…。
じゃあ、おやすみ。
ごめんね、こんな時間に。」
「いいのよ。
また明日。
おやすみ。」
 電話を切り、炎舞様にユカのことを話した。
 「うーん…。
光の国は貧富の差がひどいから、王女が服を持ちすぎるのは危険な気がする。
妬まれたりしたら大変だし。
明日、ぼくは光成と話すから、マリアは友達と話してみて。」
「分かりました。」
 そのあと、炎舞様とお風呂に入って、子作りをして眠った。