遊園地へ真白を迎えに戻ったとき、真白は俺を嫌いになるどころか、愛くるしい笑顔でお兄ちゃんと呼んでくれた。
……今は弱みを握られたかのように利用されてるけど。
「しろ……っ」
「え、どうしたんですか……!?」
無性に愛があふれてきて、しろを抱きしめた。
記憶が戻ってからにしたかったけれど、これで思い出してくれたら……なんて、ただの願望だけど。
「お前は俺の生きる希望だよ、塞ぎ込んでた俺に光をくれたんだよ?」
「光を……」
「そう、気付いたらしろのことばっかり考えてた。戻ってきて、大好きだよ……」
そしてそっと、唇を重ねた。
しろの記憶が戻ったら謝らなきゃいけないな、勝手にキスしてごめんって。しろなら許してくれるかな。
そんなことを考えていた。
「あれ……え…………蒼?」
心が乱されてとうとう幻聴まで聞こえてきた。本当のことじゃないとしても、しろに名前を呼ばれるのはとても嬉しい。