「あの……どちら様でしょうか……?」

「えっ……?」



真白が俺たちのことを忘れるわけがない。それなのに、目の前にいる真白は周りにいる人を誰も知らない様子だ。

もしかして真白……記憶喪失か。



「真白が俺のこと忘れたとか意味わかんないんだけど」

「しろ、俺だよ?蒼って名前、覚えてない?」

「さぁ…………?」



他の二人のことも覚えていないようだ。

とりあえず近くの病院に行って、真白を診てもらうことにした。



「二人ともちょっと聞いて、真白は記憶喪失かもしれない」

「だよね、俺もそう思った。」

「晴翔も兄貴もそう言うってことは俺に対してのドッキリじゃないんだな……」



悠雅は何を心配してたんだ。

その後真白の検査結果が知らされたが、予想通り記憶喪失だと言われた。

次の日の朝に家に戻った俺たちは、真白の記憶を戻すために試行錯誤を重ねた。