悠雅が復活し、俺が安堵したのもつかの間。

突然蒼が泳ぎだした。その直前の表情と進む速さからこれは遊びじゃない、本気で何かへ向かって泳いでいることが分かった。

俺と悠雅が困惑していると、しばらくして帰ってきたのは悔しげな蒼と意識のない真白だった。



「え、真白!?蒼、どういうこと?」

「遠くでしろに呼ばれた気がしてすぐ向かったらしろ溺れてて、なんとか助けてはきたけど気失ってる」



真白が溺れてた……!?

蒼が気付いたからよかったものの、そのままだったら真白は……。なんで俺は気付けなかったんだろう。

悠雅も同じようなことを考えているらしく、後悔の念が見える。




「真白は……助かるよな」

「とりあえず意識が戻るまではわからな……あれ、しろなんか動いてる?」

「ん……あれ?私何して……」

「真白!!」



奇跡だと思った。もう無理かと思っていたけど、真白が目を覚ました。

またいつも通り晴兄って、呼んでくれると思っていた……