海水が口の中に入ってきて気持ち悪い。息も苦しい。意識だって徐々に遠のいている。 私、もうだめなのかもしれない。 神様は非情だなぁ、最期くらい大好きな家族と一緒にいさせてほしかった。こんな、海の底で死ぬなんて嫌だよ……。 「しろ!?どんどん沈んでる……待ってろ、今助ける」 その声は蒼……?助けに来てくれたのかな、でも私……もう…………。 「ねぇお願い、目開けて……俺しろのこと失いたくないよ」