「誰かさんのせいでギリギリだったけどね」
「ごめん俺のせいだわ」
ごめんなんて一ミリも思ってないくせに!!
悠雅に対する怒りを抑えていると、なんだか教室の至る所から視線を感じた。
え、なんで……?
「ねぇ見て、廊下で話してる人かっこよくない?」
「え、やば!イケメンじゃーん!先輩かな?」
「あの人と話してるの誰?馴れ馴れしくない?」
…………はぁ。
今までの経験から、確かに悠雅はイケメンに分類される人間だとは知ってたけど、私からしたらそうでもない。なのに私まで噂の対象になるのは嫌だー!
「悠雅、突然ごめんなんだけど、そろそろ戻ってくんない?私の笑い話なら家で聞くから」
「ん?まぁいいけど?」
よかった、素直に帰ってくれた……。
めんどいから私に悠雅のことを聞く人が現れませんように、
「ねぇねぇ、あの先輩とどういう関係なの!!?」
あ、終わった…………。