凛華は今まで見たことがないくらい真っ赤になってる。ゆでだこみたいだけどそれはそれで可愛い。

恋する女の子はかわいいってよく言うけど、ほんとにそうなんだなぁ……。凛華の表情や仕草一つ一つからも、よっぽど晴兄が好きで憧れてるんだなって伝わってくる。



「あ、じゃあ私は近くうろついてるから、二人でなんか話しててよ!」

「え、真白ちゃん、なんで……!?」

「だって私本について詳しくないし、聞いてるだけなのもやだからねー」



とかなんとか言って凛華と晴兄を二人きりにした私、恋のキューピッドだ!

どんな会話してるのか盗み聞きしたかったけど、信頼に影響したら困るので本当に二人からは離れていた。十数分ほどで晴兄が私のところへ来た。



「晴兄!凛華はどしたの?」

「凛華ちゃんなら俺のおすすめした本が結構刺さったみたいで、今買いに行ったよ」



やはり私の予想は当たっていたようだ。二人は読書という共通の趣味に加え、好きな本のジャンルや展開も似ているらしい。