次男ってことは、晴兄?さんか。



「あ、でも私のペンケース、結局取れなかった……」

「ん?これのこと?」



そう言って晴兄さんはペンケースを手渡してくれた。

いつの間に……!ほんとに同じ人間だよね??



「あ、そろそろ蒼と合流しなきゃ、じゃあまた。真白をよろしくね」

「はい……っ」



その場に一人になっても私はなかなか動けずにいた。

なんだろうこの気持ち……うるさいくらいに心臓が跳ねてる。ドキドキするってこういうこと……なのかな?

思い出せ、真白ちゃんから最初に家族の話を聞いたとき、あの人の名前も教えてもらったはず……。



「はる、と……喜咲晴翔だ」



晴翔さん。この日からずっと、私の王子様。