喜咲家の長男であり、私の八つ上の喜咲 蒼は、大手企業に勤めるエリートだ。悠雅が唯一兄貴とよぶだけあって昔から悠雅ととくに仲が良く、明るい人気者だった。
私との接点といえば小学生の頃、当時高校生だった蒼に遊園地に連れて行ってもらったのに蒼だけが楽しんだ挙句私を置き去りにして帰ろうとしたこと。ついこの前もこの話題を使って蒼から新しいバッシュを買ってもらった。
「真白も高校生かー、ほんとにかわいく育ったね!」
「晴兄、お世辞もほどほどにしてよー……って、もう時間じゃん!」
あと十分で家を出ないと、入学式に間に合わない。入学早々遅刻とか絶対に嫌だ!急がなくちゃ!!
超ハイスピードで支度を終わらせ、私は家を飛び出した。
悠雅の奴、今日だけお願いって言ったのにおいていきやがってー!
入学式が終わると、廊下まで来ていた悠雅に呼ばれた。
「真白ー入学式遅れなかった?」
あー来た来た。わざわざ廊下まで呼び出してまでからかいたいのか?



