悠雅と睨み合いながら階段を降りると、晴兄が朝食を作って待ってくれていた。
「晴兄おはよぉ……」
「おはよ真白。入学式の日だってのに、真白と悠雅は相変わらずだね」
「えっ、晴兄それどういう意味!?」
朝から爽やかな笑いを浴びせてくるこの人は、喜咲 晴翔。私より四つ年上で、今年の春から大学二年生になった。
優しくて優しくてとにかく優しい、自慢のお兄ちゃん。私は小さい頃の名残で『はるにい』と呼んでいる。
「晴翔、兄貴はもう仕事?」
「いや、昨日から帰ってきてないんだよねぇ……今月は出張ないって言ってたし、どっかの店で酔いつぶれたか、誰かの家に泊まってるかだな」
「…………女とヤったんじゃ……ふがっ」
「真白の前だよ?」
晴兄、圧がすごい……でも今、私も悠雅と同じこと考えちゃったよ。