夢の高校生活、中学から続けてきたバスケで全国大会に出て、そのうち彼氏なんかつくっちゃってテスト前は一緒に勉強して……思いっきり青春を謳歌しているのはそう、私 喜咲 真白(きさき ましろ)なのだー…………



「……しろ、ま……ろ、真白!」

「ひゃいっ!!」

「っぁー、やっと起きた」



え……私寝てたの?てことは今までの全部夢……?

全国大会も?彼氏も?青春もー!?



「なに落ち込んでんだよ、なんかいい夢見てた?」

「はー?悠雅にはぜっっったい教えないし!」



今私の目の前にいるのは、私の一個上のお兄ちゃんである、喜咲悠雅(ゆうが)。生意気で意地悪で、いくら兄でも失礼すぎるヤツ。

こいつだけは意地でも『お兄ちゃん♡』なんて呼ばない。



「真白ー、悠雅ー、ご飯できたからおいでー!」

「「はーい」」



……最悪。



「……ハモんなし」

「こっちこそ!」