【叔父様ノ覚エ書】~叔父様の書物をこっそりと読みましたら、叔父様が殺されたらしいとわかりました。お可哀想な叔父様。待っていてくださいね。美咲がきっと助けて差し上げます…~



 



 M町、渡邊家――。

 風通しのいい一室に美咲は寝かされていた。

 朧川で倒れていた美咲を見つけ、渡邊家へ連れ帰ったのは、なんと和樹だった。

 あの世とこの世のどのようなからくりかは知れないが、和樹の魂を迎えに来た玲羽から美咲のしたことを聞かされた。

 美しく成長した姪が朧川の縁で静かに眠っている姿を目にしたときの想いと言ったら、到底言葉で表わされるものではなかった。



 和樹は死んだその時のままで朧川に舞い戻った。

 従って歳恰好も三年前と同じ二十三だった。

 突如として戻った和樹の姿形があまりに以前と変わらないので、家族一同と小林家の面々が驚いたことは言うまでもない。

 その真実を和樹は口にはしなかった。

 言った処で信じてはもらえまい。