【叔父様ノ覚エ書】~叔父様の書物をこっそりと読みましたら、叔父様が殺されたらしいとわかりました。お可哀想な叔父様。待っていてくださいね。美咲がきっと助けて差し上げます…~



 すらりと伸びた肢体を丸襟の白いブラウスに包み、濃緑のカメオのブローチを付けている。

 表に四つプリーツの入った赤いスカートは、五日前に美咲が自分で拵えたものだ。

 裾に入れた細かいレースが気に入っている。

 雪のように白い頬っぺたは熱に当てられて幾分桜色に染まっている。

 それ程化粧はしていないのに、睫毛(まつげ)はふさふさと長く、アーモンドのように形のいい目は、どきりとする程大きい。

 その瞳は夜空を映す水面ように黒く、萌える緑が鏡のように鮮やかに映り込んでいる。

 滑らかな光を湛(たた)えながら、今にも泣き出しそうな程に潤っていた。