遠足の日の放課後。俺は体操服姿のまま、ひとりで学校近くの公園のベンチに座っていた。


 この公園は、俺が依茉と久しぶりに再会した公園だ。


 依茉が小林に告白して振られた……あの公園。


 ───春休みのあの日。俺は、当時付き合っていたハルカっていう彼女とのデートの待ち合わせ場所に向かっている途中で、この公園の前を通ったんだ。


 そしたら、依茉と小林が向かい合って立っているのが見えて。


 遠目からでも分かるくらい、依茉はとても緊張した面持ちをしていたから。


 俺は、なんとなく察した。依茉が、小林に告白するんじゃないかって。


 そう思うと、いてもたってもいられなくて。


 どうしても依茉のことが気になってしまい、彼女とのデートのこともすっかり頭から抜け落ち、俺は公園へと足を踏み入れた。