「モモ……ホント、今の俺自分を制御出来るかわかんねぇよ? 途中で嫌だって言われても、多分止まれない」


 最終確認のように聞いてくる陽に、私は顔から手をどけて答える。


「それでも、良いよ。陽が欲しいって言ったでしょ?」


 流石にもう笑顔でなんて言えない。

 顔は隠さないけれど、恥ずかしすぎて目は見ていられなかった。


「っ! モモ!」

「あ、んぅ」


 耐えきれないといった風に呼ばれて、すぐに唇が塞がれる。

 理性なんて捨ててしまったかのような、乱暴なキス。

 でも、ひたすら私を求めてくれているのを感じて、嬉しかった。

 深いキスの間に、陽の手が私の髪に梳き入ってくる。

 唇が離れると同時にウィッグも外されてしまった。


「はぁ……キレイだ、萌々香」

「んっ……陽は、カッコイイよ」


 嬉しさと照れ隠しで言葉を返すと、今度は優しいキスが降りてくる。

 ふわりと陽の薔薇の香りがして、私は腕を彼の背中に回した。


「萌々香の匂い、好きだ」

「私も、陽の匂い好きだよ」


 キスの合間に、交わし合う。


「なんだそれ。初めて聞いた」

「そうかな?……そうかも」


 クスクスと笑いながら、触れ合った。

 たくさん好きと言って、たくさん愛を囁いて。

 そして私たちは、お互いの香りを求め合った。