「俺のは染めてるからさ……天然のブロンドって、こんな自然な色合いしてんだ? ピンクローズみたいで、キレイだな」


 ニコニコとベッドの側まで来た陽は、突然スッと妖しさを纏った笑みを浮かべる。


「本当に感謝してくれよ? かわいくて、キレイで。本気で理性ぶっ飛びそうになったんだから」

「え?」


 突然の変わりように驚いていると、肩を押され起き上がっていた上半身をベッドに戻された。

 気づいたときには、意識を失う前に見た光景と同じものが見える。


「最後までしないなんて、言わなきゃ良かったって後悔したよ」

「っ!」


 押し倒されたことで、目の前には陽しか見えない。

 影になった陽のキレイな顔は、妖艶な雰囲気もあって危険さをはらんでいた。


「モモさえよければさ、このままシない?」

「ぅえ!?」


 驚き、ダメに決まってる!って思う。

 でも、ドキドキと早まる鼓動がすぐに拒否の言葉を発してくれない。

 近づいてくるキレイな顔が、だんだん真剣さを帯びてきて……。

 怖いくらいのその表情に、拒絶の言葉は伝えられなかった。


 吐息がかかるくらい近づいた顔に、キスされるんだと思った私は自然と目を閉じてしまう。