***
少し休んで落ち着いたのか、景子は三時間目辺りから授業を受け始めた。
休憩時間に加藤くんと話している様子はいつも通りで、やっぱり景子が思い詰めちゃってただけなのかなと思った。
でも、放課後……。
「久斗、今日は部活なかったよね? たまには一緒に帰らない?」
そんな景子の提案に、加藤くんは両手をパンッと合わせて謝罪のポーズをした。
「悪い! 今日の放課後は先約があるんだ」
途端、景子の顔から笑顔が消える。
感情が抜け落ちた様な表情は怖いくらいで、私は少し離れた場所で二人を見ながらハラハラしていた。
「先約って、またあの友達と街に行くの?」
「ん? ああ、そうだよ。……なんだよ、まだなんか疑ってんの?」
不満そうな加藤くんは少し声が低くなったように思う。
そんな彼の顔からも表情が抜け落ちてしまったみたいで少し怖い。
無表情の美男美女が向かい合っている姿は怖さも二倍以上になっている気がした。
思わず身震いして固唾をのんでいると、景子の方がパッと笑顔に戻る。
「ううん、疑ってなんかないよ。残念だけど先約じゃあ仕方ないよね。行ってらっしゃい」
「ん? あ、ああ……」
景子の変わりように加藤くんも戸惑いながら表情が戻る。
申し訳なさそうに眉を下げて、もう一度「ごめんな」と謝っていた。
少し休んで落ち着いたのか、景子は三時間目辺りから授業を受け始めた。
休憩時間に加藤くんと話している様子はいつも通りで、やっぱり景子が思い詰めちゃってただけなのかなと思った。
でも、放課後……。
「久斗、今日は部活なかったよね? たまには一緒に帰らない?」
そんな景子の提案に、加藤くんは両手をパンッと合わせて謝罪のポーズをした。
「悪い! 今日の放課後は先約があるんだ」
途端、景子の顔から笑顔が消える。
感情が抜け落ちた様な表情は怖いくらいで、私は少し離れた場所で二人を見ながらハラハラしていた。
「先約って、またあの友達と街に行くの?」
「ん? ああ、そうだよ。……なんだよ、まだなんか疑ってんの?」
不満そうな加藤くんは少し声が低くなったように思う。
そんな彼の顔からも表情が抜け落ちてしまったみたいで少し怖い。
無表情の美男美女が向かい合っている姿は怖さも二倍以上になっている気がした。
思わず身震いして固唾をのんでいると、景子の方がパッと笑顔に戻る。
「ううん、疑ってなんかないよ。残念だけど先約じゃあ仕方ないよね。行ってらっしゃい」
「ん? あ、ああ……」
景子の変わりように加藤くんも戸惑いながら表情が戻る。
申し訳なさそうに眉を下げて、もう一度「ごめんな」と謝っていた。



