「確かに莉緒の初めての作品はひどかったよ。でも、それを直して上手くなるよう頑張ったんだ。だから受賞も出来た! その頑張りをけなすやつは誰であろうと俺は許せない」
「玲衣くん……」

 ずっと側で私の頑張りを見守ってくれていた玲衣くん。
 そんな彼の言葉は、美乃梨ちゃんたちからのナイフのような言葉で傷つく私の心を(いや)してくれる。
 やっぱり玲衣くんは私の薬だね。

 うれしくて、心が温かくなって、勇気がわいてくる。
 私は玲衣くんの手をにぎり返して、グッとあごを引く。
 今までのように言われっぱなしじゃなくて、ちゃんと立ち向かうように美乃梨ちゃんを見た。

「美乃梨ちゃん、私恋愛小説が好き。前は読むだけで良かったけれど、何作品か書いて書くのも好きだってわかったの」
「莉緒、ちゃん?」

「好きだから、頑張るって決めた。もっともっと上手くなれるように、これからも頑張るよ。美乃梨ちゃんはやめればいいのにって言うけれど、私はやめたくない! だからこれからも書き続けるよ!」

 ハッキリ宣言して、スッキリした。
 これからも学校では嫌味を言われるかもしれないけれど、私はそんなの気にせず書き続けるって言ってやった。