「だったらプロットとかもやっておいた方がいいと思う」
「……うん」

 うなずきはしたものの、やっぱり高望みなんじゃないかって気持ちは無くならない。
 そんな私に、玲衣くんは(まゆ)を下げた。

「それとも迷惑(めいわく)だったか? 俺、協力するって言ったけど……ここまでするのはやりすぎだったか?」

 気落ちしたような声にハッとする。
 私が迷惑(めいわく)がってるのかもって思ったの?

 確かにびっくりしたけど、玲衣くんが私のために色々準備してくれたんだってことは分かる。
 たぶん小説のことなんて全く知らないのに、昨日から色々調べてくれたんだろうなって。
 ……そうだよ、玲衣くんは私が書き続けたいって言ったからこうして協力してくれてるんじゃない。
 それなのにためらっちゃうなんて……私、カッコ悪い。

「ううん、やりすぎじゃないよ!」

 気持ちをふるい立たせる。
 私が自分で書き続けるって決めたんだもん。自分で決めたことを曲げちゃダメだよね!
 それに、協力してくれるって言う玲衣くんにガッカリされたくない!

「色々調べてくれてありがとう玲衣くん。私頑張(がんば)るよ!」

 (こぶし)をにぎって宣言した私に、玲衣くんはふわっと笑ってくれる。

「そっか、良かった。頑張(がんば)ろうな」

 その笑顔がとっても素敵に見えて、私の心臓がドキンッて大きくはねた気がした。