「はい、何ですか?永嶋(ながしま)さん」 ふぅ、と息を一回吐いて、私は彼女に聞く。 できるだけ表情に出ないように、出ないように... 「あぁ、数学のテストのこの問題分からないから、教えてほしいなぁ、って♪」 私が返事をしたためか、また子猫に戻る彼女は永嶋(ながしま)奈都(なつ)。 まぁ、化け猫かと思うぐらい、いつもはひどい扱い受けてるんだけど…。 「で?数学の問題ってどれですか?」 私が彼女の問題用紙に手を伸ばした瞬間。