その日の夜も、家族も使用人もみんな私を甘やかしてくれる。

私の言葉を信じてくれる。


「リエナ様、今日も楽しかったですか?」


「ええ。楽しかったわ」


嘘ではないはずの言葉が、何故か胸を締め付ける。

「リエナ様、紅茶を準備しましたわ」

「甘いお菓子もいかがですか?」

「今日の服もお似合いです。とっても可愛いですわ」

使用人の優しさを、自分が操ったのかすら分からなくなっていく。

そして思い出したくない過去が頭をよぎり、眠れない夜は訪れる。

やっと眠れば、昔の夢をみる。