私の突然の訪問に、グレン殿下は慌てた様子で客間に入る。

「エイリル・・・・!何かあったのか・・・・!?」

グレン殿下の顔を見た瞬間、何故か涙が溢れ出す。

涙は止まることを知らず、ただただ頬を伝っていく。

グレン殿下が私を引き寄せ、抱きしめる。

そして、しばらく何も言わずに抱きしめ続けて下さる。


「エイリル、どうした?悲しいことでもあったのか?」


涙が溢れて何も話せない私の頭をグレン殿下はそっと撫でて下さる。


「君はいつも人に気を使ってばかりいる。そんな君が私の前で泣いてくれたことが、何故か少し嬉しいんだ」

「ねぇ、エイリル。もっと私に甘えてくれ。君が泣いた後、笑顔になる手助けをさせて欲しい」

「何でも打ち明けてくれ。私は絶対に君の味方だから」


涙を拭いた私は少しずつ話し始めた。

リベスのことは話さなかったが、自分の聖女の力を打ち明ける。