先ほどリベスといた部屋で目を覚ました私は、しばらく呆然《ぼうぜん》としていた。


「私の【本当の願い】だけが叶う力・・・・」


女神は私にどうしろというのだろう。

リベスが打ち明けた秘密に心が苦しかった。

そのことすら整理出来ないうちに、女神は私の聖女の力を明かした。


グレン殿下が以前私に仰って下さった言葉を思い出す。


「私にはどれだけ甘えてもいいんだ。愛する者に甘えてもらえることほど幸せなことはないのだから」


グレン殿下に会いたい。

私は部屋を飛び出し、王宮へ向かった。