それでも、何とか言葉を絞り出す。



「・・・・私に、この聖女の力で恨みを晴らせと仰るのですか?」



「まさか。叶えることは貴方が選べると言ったでしょう?人助けに使ったって構わないわ。全ては貴方の自由よ」

「さぁ、この最強で残酷な能力を知った貴方はどうする?」



女神は私の顔を覗き込むように微笑む。





「【ゲーム再開】といきましょう?」




また重くなっていく瞼《まぶた》から溢れるように、涙が頬を伝うのが分かった。

何故、涙が溢れるのか分からない。

それでも、前を向きたい。

もう一度この人生で幸せを掴みたいと願って、動き出した物語なのだから。