毒が身体から抜けて立ち上がれるようになっても、グレン殿下は頻繁にお見舞いに来て下さった。

「エイリル、今日の調子はどうだい?」

「お陰様でもうほとんど前と変わりませんわ。ですから、グレン殿下もお忙しいでしょうし、無理にいらっしゃらなくとも・・・・」

グレン殿下が私の言葉を遮《さえぎ》るように、私の口元に人差し指を押し付ける。


「無理などしていない。私がただ君に会いたいだけだ」


グレン殿下はあの日から、さらに私に愛を伝えるようになった。