「今、こうして君の手を握れることが私は堪らなく嬉しいんだ」

「私の守りたいものは、国民、家族・・・・そして、あの日、大切なことを教えてくれた少女。ねぇ、エイリル。私は「甘さ」と「弱さ」は紙一重だと思う。でもね、「優しさ」と「弱さ」は違うと思うんだ」

「君はまだ優しさが大半かもしれない。だから、共に強くなろう。どうか君を隣で支えさせてくれ」


グレン殿下の目は少しだけ潤んでいるように感じた。


「エイリル、これから先も私は君に愛を伝える。今の私を愛してもらえるように。そして、君と未来を歩めるように」


グレン殿下が顔を近づけ、そっと頬に口づけをした。

グレン殿下が口付けした頬から熱が広がっていくのを感じる。


「さぁ、もう疲れただろう。今はゆっくりと眠ってくれ」


グレン殿下が私の手を両手で包み込んだ。


「エイリルが眠るまでそばにいるから、安心して眠ると良い」


私は不安も怖さもあったはずなのに、グレン殿下の優しい手に安心して眠ってしまった。