「さぁね。それよりさぁ、エイリル」

その瞬間、リベスが椅子から立ち上がり、私に顔を近づける。




「俺の国に来ない?」




「っ!」




「パシュル国に来るなら、君のしたいことをすればいい。聖女の力だってゆっくり見つければいいし、誰に甘えたって構わない。もっと言えば、私の妃になってくれるともっと嬉しいんだけど」




そう述べたリベスは、いつものようにからかっているだけには見えず、表情にどこか苦しさが滲《にじ》み出ていた。

リベスの秘密が私には分からない。


「リベス、貴方は一体何を抱えているのですか・・・・?」


その瞬間、リベスが何かを呟いたが、声が小さくて聞こえない。





「君を殺したのが俺だと知ったら、君は俺を嫌うだろう・・・・?」





「リベス?何か仰いましたか・・・・?」




リベスは苦しそうに微笑んだ後、パッと表情を変える。