しかし、これを機に私はもっと自分の聖女の力を知るために頑張ると決めた。

だから、もっと自分に何が出来るのか試さないと・・・・!


「このコップを水で満たして下さいませ・・・・!」


「この服にリボンをつけて欲しいですわ!」


「この部屋の掃除をして下さい・・・・!」


しかし、目を瞑《つぶ》り、胸の前で両手を組んで祈っても、どの願いも叶わない。




「麗しき姫君、お困りですか?」




声がして振り返ると、リベスが立っている。

「どうして私の屋敷にいらっしゃるのですか・・・・!?」

「俺、これでも隣国の第一王子だよ?公爵家であろうと、訪問を断れないに決まってるでしょ?」

「っ!だからと言って急にいらっしゃられると困りますわ!」

「急だから、良いんでしょ?」

「・・・・?」


「エイリルのそのびっくりした可愛い顔が見れるんだから」


「からかわないで下さいませ!」

私が注意しているのを、リベスがただクスクスと笑いながら聞いている。