断罪された公爵令嬢は自分が聖女だと気づき、甘い溺愛の中でもう一度人生をやり直す

「本当は、もっとゆっくりとエイリルと距離を近づけたかったのだけれど。リベス殿下に嫉妬してしまったようだ」

「出来るなら、私が君の聖女の力を開花させたかった。エイリルを助けるのはいつでも私でありたい」


グレン殿下が私に顔を近づけ、寸前で止める。

街へ出掛けた日に口づけのフリをした光景を思い出し、顔に熱が集まる。



「嫉妬深い私は、次は「フリ」だけでは嫌だよ?」



そう仰って、いたずらっ子みたいにクスッと笑ったグレン殿下は幼い子供のように見えた。

その日は屋敷に戻った後も暫く頬の熱が取れず、私は窓の外をぼーっと見つめていた。


私の降らせた雨は夜になってもまだ降り続いていた。