「私にはどれだけ甘えてもいいんだ。愛する者に甘えてもらえることほど幸せなことはないのだから」

グレン殿下の眼差しは、優しさに満ちていた。

「・・・・グレン殿下。私はグレン殿下に以前に会ったことを覚えていません。グレン殿下に愛してもらう資格など・・・・」


「エイリル嬢、昔と今の君は何も変わらない。ずっと優しくて強い「エイリル」のままだ」


グレン殿下が初めて私を「エイリル」と呼び捨てで呼んだ。