「グレン殿下!雨を、雨を降らせることが出来ましたの!」

私は、グレン殿下のいらっしゃる部屋に急ぎ足で戻った。

「この雨はエイリル嬢が降らせたのか・・・・!?」

「ええ。リベス殿下が御助言を下さり、降らせることが出来ましたの!しかし、何故急に願いが叶ったのかが分からなくて・・・・」

私が申し訳なさで俯《うつむ》くと、グレン殿下はいつもの優しい笑みを見せる。


「前も言ったが、エイリル嬢が全ての責任を背負う必要はない。それは、王族である私の役目だ」

「ゆっくりと前に進めばいい。急がずとも共に頑張れば良いだろう?」


グレン殿下が私の頭を優しく撫でる。

「グレン殿下、私ももっと自分の出来ることを探しますわ」

「疲れた時はいつでも私に甘えにおいで」

グレン殿下が私の頭を撫でていた手をそっと頬にずらす。