その後、わざと偶然を装って出会ったエイリルの第一印象はただつまらない人物だった。

しかし・・・・


「どうして?今のは怒ったんじゃくて、助けてくれたんでしょう?」


彼女はただ優しいだけの人間ではないのかもしれない。

いや、ただの優しい人間でも構わなかった。

その人柄は、私が持ち合わせていない眩《まばゆ》い輝きを放っていた。

パシュル国のために彼女を事故に合わせた。

我が国のためだと、間違ったことをしたつもりなどなかった。

しかし、何故だろう。

彼女を事故に合わせた自分を後悔した。