数日後、私はグレン殿下に呼ばれ王宮に登城《とじょう》していた。

「エイリル嬢、来てくれたんだね」

「本日は王宮にお招き頂きありがとう御座います」


「実は今、新しい政策を行っている最中でね。干ばつ対策にさらに資金を注ぎ込むことになったんだ。例え、今回の水不足を運良く切り抜けた所で、次がないとは限らない」

「しかし、今からさらに干ばつ対策に力を入れても、今回の干ばつの被害は大きいだろう。すぐに水路を整備できる訳じゃないから」


「そうですか・・・・」

「しかし、私は今出来ることをするしかない。そんな不安そうな顔をしないでくれ、エイリル嬢」

「・・・・私もお父様のお仕事についてさらに学んでいるのです。すぐには力にならなくても、いつか必ずこの国のお役に立てるように」

私はグレン殿下の顔を見つめながら、不安を隠すように微笑んだ。

「それで、今回はどうして私をお呼びになったのですか?」

「ああ、実は少し気になったことがあるんだ」

「気になること?」