断罪された公爵令嬢は自分が聖女だと気づき、甘い溺愛の中でもう一度人生をやり直す

私たちの周りの人々が、私たちの口づけの「フリ」に気づかずにシンと静まり返る。

「愛するもの同士のデートを邪魔するなど無粋では?」

そしてグレン殿下は私の手を取りすぐにその場を離れようとする。

ルーマス殿下のお顔は貴族でも知っている者は少ない。

しかしルーマス殿下のみが、グレン殿下・・・・つまり兄の存在に気づいた様子だった。

グレン殿下はルーマス殿下の近くを通り、ルーマス殿下に耳打ちをした。



「ルーマス、私の存在は「誰にも」明かすな。命令だ」



ルーマス殿下は動揺した様子で、静かに小さく震えながら頷《うなず》いた。