断罪された公爵令嬢は自分が聖女だと気づき、甘い溺愛の中でもう一度人生をやり直す

「リエナ?どうした?・・・・っ!エイリル・フォンリースではないか!」

ルーマス殿下の大きな声で、リエナ様の周りの貴族達も私の存在に気づく。

「隣のフードの男も顔を見せろ!」

今はグレン殿下をエリナ様に会わせないことが最優先だ。

その時、ふと嫌な考えが浮かんだ。


もし、グレン殿下やお父様がリエナ様と話せば、他の貴族と同じように私を糾弾するのだろうか。


そんなの耐えられない。


私はグレン殿下の背中を押し、遠くへ行くよう促す。

「グレン殿下、早くこの場を離れて下さい!」

しかし、グレン殿下が何故かすぐにその場を離れようとしない。



「早く・・・・!」





「嫌だ」





小さな声でありながら、凛とした声でグレン殿下ははっきりとそう仰る。

そして、グレン殿下が私の耳元へ口を寄せる。


「この場でエイリル嬢を置いていけば、君が糾弾されることなど目に見えている。そんなことは絶対にさせない」

「だから、今から私がする行動を許してくれ」


その瞬間、グレン殿下が私をさらに引き寄せ、私の口元へ顔を寄せる。

私は驚いて、ぎゅっと目を瞑《つぶ》ってしまった。

しかし、グレン殿下が私の顔の間近で顔を近づけるのを止めた。