急いで着替えを済ませた私は、グレン殿下が待つ客間にもう一度向かう。

「お待たせしました・・・・!」

グレン殿下は、私の服装を見てそっと私に一歩近づいた。


「可愛い。街になど行かず、このまま何処かへ閉じ込めておきたいくらいだ」


グレン殿下の甘い言葉に顔が赤くなるのを感じる。

グレン殿下はフードで顔を隠すような服装だった。

「街へ行かれるときは、いつもフードを被るのですか?」

「ああ、王族の髪色は特徴的だからね。これでも、顔をあまり知られていないことで得することもあるんだ」

グレン殿下が自身の髪を指さしながらそう仰る。