エイリル様には私の力は効かなかった。

それはつまりエイリル様も聖女ということである。

ただただ邪魔だった。

エイリル様は、聖女として皆に期待されていた私にも優しく声をかけた。


「リエナ様、無理をしていませんか?何かあれば、仰って下さいませ。出来る限り、力になりますわ」


みんなに尊敬され、愛される性格。

私にはない、優しさの塊のような人だった。

正直、吐き気がした。

それでも、彼女を排除までするつもりなどなかった。

あの日、女神のあの言葉を聞くまでは。


「もう一人の聖女の力は【-------------------------】」


私は彼女が憎くて憎くてたまらなくなった。