しかし、今現在私を一番悩ませているのは・・・・


「愛しているよ、エイリル嬢」

「返事は急がないし、ゆっくりで構わない。ただ、またエイリル嬢に会いにくるよ。私が君に会いたいからね」


思い出しただけで、心臓が速くなるのが分かった。

「緊張してしまうわ・・・・」

私は愛されるということを知らない。

公爵家の令嬢でありながら、貴族同士の情勢の関係で婚約者も16歳で未だ決まっていなかった。

その時、ふと気づいた。

聖女リエナは【何故私を陥《おとしい》れたかったのだろう?】

私は、聖女リエナにとって何が邪魔だったのか。

聖女同士は力が使えないから?

しかし、私は聖女リエナを貶《おとし》めるつもりなど一切なかった。

それに聖女リエナを愛している貴族達と関係が深かったわけでもない。