私はグレン殿下の言葉がすぐには理解出来なかった。

「愛される・・・・?」

「そう、エイリル嬢が私にね」

グレン殿下は言葉の意味をすぐには明かさず、私の反応を楽しんでいる様だった。

そのことを表すかのように、グレン殿下が私と目を合わせて逸らそうとしない。

グレン殿下のライトブラウンの美しい瞳に私の真っ赤な顔が写っている。

「からかわないで下さいませ・・・・!」

私は顔を隠すようにそっぽを向いた。

「ああ、すまない。エイリル嬢があまりに可愛い反応をするものだから、ついからかってしまった」

グレン殿下が嬉しそうにくすくすと笑っている。

いつもの毅然《きぜん》とした王族らしいグレン殿下からは想像も出来ない姿だった。